鉄道は業績V字回復、でも戻らない“定期” 2022年の鉄道 明るいニュースはあった?

コロナ禍3年目の2022年。ワクチン接種率の向上や自粛ムードの薄れなどから人流は元に戻りつつあり、JR4社や大手私鉄で業績が回復しました。ただ、毎年のように日本を襲う自然災害への対応も急務に。鉄道業界の1年を振り返ります。

東京で始動した新地下鉄計画

 前向きな話もあります。今年は「地下鉄新線」が話題になった年でした。まず年明け早々の1月28日、東京メトロが有楽町線 豊洲~住吉間、南北線 白金高輪~品川間延伸の鉄道事業許可を申請し、3月28日に国土交通大臣が許可しました。これにより、2030年代半ばを目指して正式に事業がスタートしました。

 また多くの人を驚かせたのが、11月25日に小池百合子東京都知事が発表した「都心部・臨海地域地下鉄」構想でした。これは今後、開発が進む築地、晴海、有明など臨海エリアと都心の約6kmを直結する14番目の地下鉄を建設しようという計画で、2040年までの開業を目指しています。

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延伸が予定されている南北線(左)と有楽町線(右:豊住線とも)(画像:東京メトロ)。

 地下鉄建設は計画決定から開業まで15年近く要します。現在の鉄道整備は2016(平成28)年の交通政策審議会答申に沿って進められていますが、2020年の東京オリンピックに向けた各種改良工事と、オリンピック後の臨海エリア再開発計画、そして何よりコロナの影響で議論は先送りされてきました。そういう意味では、このタイミングで臨海エリアの地下鉄構想が浮上したのは当然だったのかもしれません。

 気が付けば3年の時間が過ぎてしまいましたが、その間にも様々な課題が積みあがっています。足踏みしていた時間をどうやって取り戻していくか、いよいよアフターコロナに向き合う時期がやってきたと言えるでしょう。

【了】

【写真】3年ぶりに営業した「日本一営業日が短いJR駅」

Writer:

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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