世界が驚愕した「撃沈」も 2022年話題になった軍艦5選 米・中とも巨大船登場 日本は?

世界を賑わせたロシア&中国艦

 では、海外に目を向けてみると、どういった艦船が注目を集めたのでしょうか。

巡洋艦「モスクワ」:ロシア

 軍艦の世界で、ロシアによるウクライナ侵攻を象徴する存在になったといえるのが、ロシア海軍の巡洋艦「モスクワ」(満載排水量1万1300トン)でしょう。同艦は、スラヴァ級ミサイル巡洋艦の1番艦であり、ウクライナ侵攻時はロシア黒海艦隊の旗艦を務めていました。

 しかし侵攻から1か月半あまり経った4月13日、ウクライナ軍の対艦ミサイル「ネプチューン」が2発命中し、翌14日に沈没しています。

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ミサイル巡洋艦「モスクワ」に対峙するウクライナ兵を描いた切手(画像:ウクライナ軍参謀本部)。

 1万トンを超える大型艦が戦闘行動中に沈没した事例は、フォークランド紛争中の1982年5月にアルゼンチンの巡洋艦「ヘネラル・ベルグラノ」(満載排水量1万3645トン)が、英潜水艦「コンカラー」の魚雷攻撃を受けて撃沈されて以来とか。しかも冷戦期に設計・建造されたとはいえ、対空ミサイルと近接防空システム(CIWS)を組み合わせた防空システムを構築していたスラヴァ級が、ウクライナ軍のミサイルに満足な対応をできないまま沈んだという事実は、世界中に大きな衝撃をもたらしました。

 もともと「モスクワ」は1983年1月にソ連海軍の「スラヴァ」として就役しました。米ソ冷戦の終結を宣言したマルタ会談では、ソ連のゴルバチョフ書記長とアメリカのブッシュ大統領がそろって乗艦しています。2月24日に始まったウクライナ侵攻では、先述したように黒海艦隊の旗艦としてズミイヌイ島への攻撃に参加しており、同艦の沈没はウクライナにとって大きな戦果となりました。

空母「福建」:中国

 一方、中国では国産空母第1号である「山東」に続く2隻目、同国海軍としては3隻目となる空母「福建」が6月17日に中国船舶集団(CSSC)の江南造船所で進水しました。

 「福建」は艦載機の発艦装置としてアメリカ海軍のジェラルド・R・フォード級(後述)と同様の電磁カタパルトを採用。この発艦はカタパルト、着艦はアレスティング・ギアによる制動装置という「CATOBAR(キャトーバー)方式」と呼ばれる発着艦システムを構築することで、より効率的な航空戦力の運用を可能にしようとするなど、中国は空母の運用能力を急速に高めています。

 同艦の満載排水量は8万トンと、すでに運用を始めている「遼寧」や「山東」と比べてかなり大きくなっています。目玉装備の電磁カタパルトは3基搭載されており、艦載機にはJ-15に加え、J-35と推定される第5世代の戦闘機や早期警戒機が搭載されると見られています。

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