ついに“立体交差化しなさい”指定 「京成高砂」開かずの踏切どう解決 難題の“車庫”

電鉄と区の解消案は?

 加えて、駅の東側には京成の高砂検車区が広がっています。ここに入線する電車は、スピードを落として踏切を通過するので、それも開かずの踏切化する要因のひとつです。もうひとつ東の踏切も、同じ事情から開かずの踏切となっています。

 ちなみに駅脇の踏切では、通過する列車を「京成」「北総」「通過電車用」の3種類に区別して、それぞれの方向表示器で接近を知らせています。こうした例は京成津田沼駅(千葉県習志野市)にもあります。

 以上より2つの踏切は立体交差化が難しく、これまで後回しにされてきました。とはいえ今回、国土交通省から「立体交差化するべき踏切」に指定されたので、対策は講じなければなりません。ただし、検車区を移転させてからでないと立体交差化に着手できないでしょう。

 現在、京成と地元自治体である葛飾区は、高砂検車区を現在地より約800m南東に移転させる方向で話し合いを進めています。移転先には多くの住宅が立ち並んでいることから、補償を含めた立退交渉などで時間を要することが予想されます。

 市街地化された中での車庫移転を伴う立体交差化。完了にはまだ当分、時間がかかりそうです。

【了】

【こりゃ難しい&珍しい】京成高砂「高架下の開かずの踏切」(写真)

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Writer: 小川裕夫(フリーランスライター・カメラマン)

フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。官邸で実施される首相会見には、唯一のフリーランスカメラマンとしても参加。著書『踏切天国』(秀和システム)、『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)、『東京王』(ぶんか社)、『私鉄特急の謎』(イースト新書Q)など。

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