隣県より“遥か彼方の東京”の方が早く… 50年で遠くなった都市間鉄道ランキング
【詳細】「ワーストランキング」50年前/2023年現在の最短経路
注)
・ワーストランキングは、午前7時~20時発着の新幹線・特急を含む最短所要時間列車で比較。各時刻表1972年12月号、2023年1月号(米坂線は2022年7月現在)より。
・山形~新潟間および前橋~宇都宮間では山形・東北・上越新幹線を大宮乗継、秋田~山形間では秋田~仙台間を新幹線利用とすると所要時間は短くなるが、下記の一般的な例より運賃・料金が約2~5倍となるのでランキング算出例からは除外した
1位:津~奈良
50年前(急行紀州2号+急行かすが2号)、2023年(紀勢本線普通914C+関西本線普通)
2位:秋田~山形
50年前(特急つばさ1号)、2023年(奥羽本線普通2448M+山形新幹線つばさ)
3位:山形~新潟
50年前(急行あさひ1号)、※2022年(奥羽本線普通428M+米坂線+羽越本線・白新線各普通)
4位:津~大津
50年前(急行くまの)、2023年(紀勢本線938D+関西本線+草津線+東海道本線各普通)
5位:前橋~宇都宮
50年前(両毛線快速4449M+東北本線普通)、2023年(両毛線普通449M+東北本線普通)
【了】
Writer: 内田宗治(フリーライター)
フリーライター。地形散歩ライター。実業之日本社で旅行ガイドシリーズの編集長などを経てフリーに。散歩、鉄道、インバウンド、自然災害などのテーマで主に執筆。著書に『関東大震災と鉄道』(ちくま文庫)、『地形で解ける!東京の街の秘密50』(実業之日本社)、『外国人が見た日本 「誤解」と「再発見」の観光150年史』(中公新書)』ほか多数。
JR西が「West Express 銀河」で京都-新宮間にイベント車両を走らせているが、
なぜ、紀伊勝浦発・京都行(4位:津~大津)と繋いで一筆書きに循環させないのか、理解に苦しむ。
何故ならこの地域は伊勢と熊野古道を繋ぐことで
古代より奈良・京都とは一面の歴史・文化圏を構成しているからだ。
「古事記ゆかり地マップ」奈良県
ttps://www.pref.nara.jp/miryoku/narakikimanyo/yukaritimap/
「みえ歴史街道」
ttps://www.bunka.pref.mie.lg.jp/kaidou/rekisi/index.htm
また、『平家物語』において清盛は京都から津に至り、安濃津の港から船で熊野詣でへと漕ぎ出す。
そして清盛の父、伊勢平氏である忠盛は津市の西域に権勢を張った。また津市内には塚原卜伝の居宅跡や
縁の寺なども残っている。
因みに国道一号線の終点として知られる
大阪・梅田新道にある道路元標では、R165、R163の終点が三重県津市となっており、
盲腸線として一部で知られる大赤字非電化路線のJR名松線(JR東海)も津市内にある。
ttps://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000009908.html
ttps://mainichi.jp/articles/20210730/ddf/012/040/010000c
ここは、信長以前、南朝派であった伊勢国司、北畠氏や陰流剣祖愛洲氏の居城があった付近で、
奈良の曽爾(そに)高原の山を隔てた東側にあたる。さらに神話に遡れば、曽爾や宇陀、御杖と
云った地域は、アマテラスが都から伊勢への旅を始める始点(大和-信楽-美濃-伊勢路)となる。
そして鉄道以前、明治天皇の御所からの伊勢巡幸も、
中世に途絶えた斎宮群行経路に則り、関西本線の亀山市付近で分岐する伊勢別街道を南下している。
つまり、そもそもここは名松線も含め、鉄道ファンに知られた単なるローカル鉄路の支線などではない。
関西から三重には近鉄や有料道路が一般的だ。しかし新幹線が走っている訳でもないのに
特急や急行が全くないというのは、どう考えてもJRの長年に亘る営業放棄としか考えようがない。
複線や新幹線を敷設せず、文学史、歴史的繋がりや街道の掘り起しもなく、輸送係数を持ち出して
経営難を訴えても説得力に乏しい。
鉄道記事の範疇でJRの無能を提起することは難しいかもしれないが、
こうした問題は、都府県堺駅や境界駅など日本全国にある。高々150年の歴史しか持たない鉄路や
分社化されたJRの事情で、地域が受け継いできた文化遺産や街道を寸断することがないよう、
鉄道記者も「鉄道以外の」社会に目を向けてもらいたい。長文ご容赦。
逆ですよ。高速道路ができたり高速バスが主力になったりで急行がいらなくなったんですよ。
奥羽新幹線(新庄〜大曲)は開業するのでしょうか…
秋田県横手・湯沢へは普通列車しかない…