「都営三田線を大宮へ」国鉄も乗り気だった”埼玉延伸構想”とは 時代に翻弄された越境の夢

東急を経由して横浜方面へ直通する都営地下鉄三田線。いっぽうで北側でも、埼玉方面への延伸が構想されたこともありました。実現するはずだった越境が頓挫した後は、別の方向へ”活用”しようとする動きもあったのです。

浮かんでは消える「三田線埼玉延伸」今後は?

 一方、東京都も1972(昭和47)年、高島平団地の通勤需要に対応するため、もともと東武が保有していた志村~西高島平間の免許を譲り受け、三田線の延長区間として建設し、1976(昭和51)年に開業しました。

 冒頭に記した通り、西高島平駅は将来の延伸に対応した構造とされたものの、三田線の「埼玉延伸構想」は急速にしぼんでいき、1985(昭和60)年の運輸政策審議会答申第7号ではついに取り消されてしまったのです。

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都営三田線の北端、西高島平駅(画像:写真AC)。

 それでも埼玉県は完全に諦めたわけではなく、1999(平成11)年に行われた運輸政策審議会のヒアリングで三田線の延伸を答申に含めるよう要望しますが、結局、2000(平成12)年の運輸政策審議会答申第18号で「復活」はなりませんでした。

 近年では埼玉県の大野元裕知事が、2019年の知事選で三田線を含む東京都と埼玉県の県境近くを走る鉄道を埼玉県内まで延伸する「あと数マイルプロジェクト」を公約に掲げたことがあります。ただ就任後の正式な検討では三田線は候補から除外されており、今後も具体化することはなさそうです。

【了】

【路線図】都営三田線「大宮延伸計画」と「田園都市線直通計画」

【鉄道計画特集】新路線 新駅 連続立体交差事業 次に開業するのはどこ? 過去にあった「幻の新線計画」は?

Writer:

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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コメント

3件のコメント

  1. 三田線は、埼玉方向へはデッドエンドでも、高島平から都心方面に出るにはとても便利な線であることを定年後に発見しました。自宅は、三田線高島平駅と東武東上線東武練馬駅のちょうど中間にあります。最近、横浜に出かける機会が多くなったのですが、東上線から池袋に出て、湘南新宿ラインに乗り継ぐよりは、高島平から三田線で三田に行き、京急線に乗り継ぐ方がやや便利。運賃も少々安くつくし、ずっと座って三田まで行ける。虎の門病院に出かける朝、東武線だと乗り換えで池袋駅のラッシュをかき分ける必要があるが、始発に近い高島平駅から三田線に乗れば、座って日比谷まで行けて、日比谷線に乗り換えてすぐに虎ノ門ヒルズ駅になる。埼玉方面に延伸されていたら、埼京線のような通勤路線になっていたんでしょうね。

  2. 武蔵野線に接続し、武蔵の貨物線経由で大宮まで伸ばすことも可能。

  3. 今も大宮まで伸ばしてくれればと思う人は多いですね!

    満員の埼京線も緩和するでしょうし。

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