戦闘ヘリは本当にもう不要なのか 陸自「アパッチ」廃止でドローン一辺倒に? その危うさ
AH-64戦闘ヘリとドローンの組み合わせは?
加えて、たとえば海上自衛隊が艦載ヘリコプターとして多用するSH-60「シーホーク」系の機体に武装を施すよりも、最初から攻撃ヘリとして設計・開発されているAH-64「アパッチ」系のほうが、洋上の制圧能力、万一に備えた防御力などがはるかに高いのは当然です。
さらに最も重要なのは、搭乗員と整備部隊です。すでに訓練を受けた熟練の「アパッチ」乗りと整備士たちがいるので、彼らのノウハウを無駄にせずとも陸上自衛隊と海上自衛隊が統合運用すれば伝承は可能です。
ほかにも、海・空の自衛隊にはない「ヘリコプター野整備隊」という野外整備に秀でた専門部隊が陸上自衛隊にはあります。この部隊の整備能力はきわめて高いといわれていますが、こちらも統合部隊に組み込み、必要に応じて海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦に随時、派遣するようにすると部隊運用の柔軟性は出るのではないでしょうか。
2023年現在、陸上自衛隊はAH-64D「ロングボウ」を12機保有しています。これに加えて、新規でAH-64E「ガーディアン」を12機程度アメリカから輸入調達するとともに、既存のAH-64D「ロングボウ」を“ガーディアン化” します。そしてこれら24機を自衛隊の統合ヘリコプター部隊で一括運用すればどうでしょうか。
これが「戦闘ヘリの運用ノウハウ」をわが国に残す最も実効性のある案であり、またこのような配備ならば、地上と洋上の両方の戦いに対応することが可能です。
目指すべきはイギリスのようなAH-64「アパッチ」の洋上運用です(イギリスでは小改良しライセンス生産しているのでWAH-64)。ドローンのほうが将来性はありますが、まだ万能とはいえないでしょう。有人機(AH-64)と無人機(ドローン)の両方を併用でき、かつ連携もとれる「ガーディアン」を運用することでノウハウを残しつつ将来戦にも備える、それが現時点ではベターだと筆者(白石 光:戦史研究家)は考えます。
【了】
Writer: 白石 光(戦史研究家)
東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。
MANPADS や SeaRAM やらの餌食になるだけじゃないッスかね…
記事に同意。
戦闘ヘリを廃止してドローンに集約するの未来的には正解だが、あと20年早い。
ドローンは衛星か基地局からパイロットによる誘導が必要で、通信経路に電子戦機がいる場合は無力化される可能性がある。実際に米プレデターはGPSを誤誘導されて拿捕された。AIのような自律型は現段階では未発展で自爆や誤射になりかねない。
対ドローンとしてアパッチのような推力に余剰のある戦闘ヘリに機材を装備させ電子戦機にすればよい。そしてコパイロットの操縦で民生の安価なドローンを自爆型に改造して敵ドローンに体当たりさせれば、対空ミサイルより安上がりに。
そしてMANPADS対策に。携帯型は射程5km程度なので、潜伏可能エリアの5km前からヘリ搭載のドローンで偵察と攻撃する。センサーとミリ波レーダー、ヘルファイアの映像を受信できるならアパッチなら十分に可能。
もし仮に敵が同じヘリ電子戦や搭載ドローン戦法をとった場合は、アパッチ自らの高い空戦能力で相手の母機ヘリを直接撃墜すればよい。
正直なところF35Bがいずもやかがで運用されんるんだからアパッチをわざわざガーディアンに改修してまで使うほどじゃないとは思う
有事の際、輸送ヘリコプターの護衛はどうするの?
ヘリコプターの護衛に戦闘機は使えないし、ドローンには荷が重い。
裸同然の状態で任務を行うリスクを負う隊員の生命や士気にかかわるから、現実的な代案を早急に出してほしい。
『シン・ゴジラ』であったように攻撃寸前で民間人が確認された場合、有人ヘリだから即刻対処できたけど、ドローンなら判断が間に合わずぶっ放してたかもしれない。
ていうかそもそもまともに国産ドローン作れないのに、国産できるヘリをないがしろにしたらアカンやろ、