東京駅ホームにあった「妙に古い柱」は巨大ターミナルの100年を知っていた

1914年に開業した東京駅。この時からホーム屋根を支えた鉄柱の一部が、震災と戦災を乗り越えて100年あまり使用され続けました。現在はホーム屋根の改修に伴い撤去済みですが、一対2本は保存されています。現役末期の姿を振り返ってみましょう。

山手線・京浜東北線を見守り続ける

 華麗な柱は関東大震災をくぐり抜けたものの、太平洋戦争時の空襲により、丸の内駅舎とホーム屋根の大部分を焼失するという憂き目に遭います。その際、ホーム屋根は有楽町側が焼け落ちずに済みました。終戦後には木製の梁と柱で組成された屋根が設置されましたが、焼け残った鉄の柱は活用され、山手線・京浜東北線を迎え入れるホームとして活躍したのです。

 なお、ホーム番号は3・4番線でしたが、1995(平成7)年の東北・上越新幹線東京駅乗り入れによって番線がずれ、以後は5・6番線となっています。

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左右の柱と梁を結んで支えるT字型のアングル。これらも開業時からのもので、接点にはレリーフ状の装飾があって細部まで抜かりない(2009年6月、吉永陽一撮影)。

 柱は装飾を施されているとはいえ、戦後復旧された木製柱と同じ白色に塗られて同化しています。架線柱となっている柱だけは濃緑色に塗られ、ほかと異なってアンバランスでしたが、ホームの良いアクセントにもなっていました。開業時から残された架線柱は3本。共に緑色に塗られ、そのほかに鉄柱が数本(おそらく5対10本)ありました。

 柱と架線柱は当たり前な存在のため、日頃から特に注目されているわけでもなく、何十年もホームの屋根と架線を支えてきました。私(吉永陽一:写真作家)も「古い架線柱と柱だな」と認識はしていましたが、当たり前すぎて気にせず、初めて柱にレンズを向けたのは2009(平成21)年のこと。ただ何となしに記録をしておこうと思い立った次第です。

 隣の3・4番ホームから観察すると、ホーム屋根の上に突出した架線柱が、両手を水平に広げたカカシのような形状で、正円の装飾が誇らしげに主張しています。この姿が開業時から変わらない光景なのですね。戦後製の機能的でシンプルな架線柱と異なり、優雅な装飾を施すことで、東京駅の品格を上げているように感じます。ただし3・4番ホームへと連続していたビームは、いつの時代かは不明ですが切断されました。同ホームの屋根改修時なのかと推測します。

【写真】未だ残る古レールを用いた柱

【特集】なんだこれ? 全国の鉄道「珍風景」ヘンテコでも実は理由あり!

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