東京駅ホームにあった「妙に古い柱」は巨大ターミナルの100年を知っていた

1914年に開業した東京駅。この時からホーム屋根を支えた鉄柱の一部が、震災と戦災を乗り越えて100年あまり使用され続けました。現在はホーム屋根の改修に伴い撤去済みですが、一対2本は保存されています。現役末期の姿を振り返ってみましょう。

2014年、屋根の大改装でお役御免に

 その後も何回か、ホーム屋根柱を見学に訪れました。じっくり観察するため、なるべく乗降客の少ない日中を狙ってホームへ行きましたが、さすが東京駅、人が絶えません。通行人の邪魔にならないよう、山手線の発着の合間を狙いましたが、柱の根本部分や上側の装飾箇所をマジマジと眺めていると、「この人は柱に向かって何をしているのか」と、通行人に訝しげな表情を向けられたものです。一般的には単なる柱にすぎず、存在も当たり前すぎたということでしょうか。

Large 20230223 01
鉄柱以外の部分は戦後復旧時の木製。撮影時は屋根架け替え準備工事が開始されており、仮設の柱で組まれて物々しかった。背後のE217系「東海道線仕様」が懐かしい(2014年11月、吉永陽一撮影)。

 奇跡的に開業時の姿のまま残されたホーム屋根柱。大変化が起きるのは、冒頭で述べた通り東京駅開業100周年を迎えた2014年のことです。この年、5・6番ホームでは屋根の大改装を実施することとなり、100年あまり活躍してきた柱もついに撤去されることとなったのです。素人目にはまだ使えそうに思えて残念でしたが、戦後復旧した木製屋根は波打っており、そろそろ寿命だったのでしょう。

 1908年の建設時に設置された柱は、一対2本が同じホームにモニュメント保存されています。その下部には「明治41年」と刻印があり、たしかにこれらの柱が東京駅の建設と共に歩んできたのだと再認識させられました。柱は今もひっそりと有楽町寄りに佇んでいます。なお2023年2月上旬時点では、ホーム改良工事のため一時的に仮囲いが設置されており、見学できないので注意が必要です。再び見学できる日を待ちましょう。

【了】

【写真】未だ残る古レールを用いた柱

【特集】なんだこれ? 全国の鉄道「珍風景」ヘンテコでも実は理由あり!

Writer:

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  3. 「知らなかった!」SNSで話題に 高速道路の“2つ並んだ赤い三角コーン”、実は超重要な「ある合図」だった! NEXCO公式が投稿
  4. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  5. ロシアのミサイル部品工場が「大炎上」 ウクライナ軍の航空機から発射した巡航ミサイルが「直撃」か
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号