日本初の鉄道はなぜ「新橋」からだったか 初代新橋駅に汐留の地が選ばれた理由

鉄道開業150年の節目に、その始点となった新橋駅を見てきました。初代駅は現在の汐留にあり、そこには「旧新橋停車場」として駅舎が復元されています。丹念な発掘調査を経ているだけあり、鉄道開業に留まらない歴史に触れられます。

駅舎は関東大震災で焼失

 ブリジェンスが設計した当時の駅舎は、左右対称の2階建て2棟を配し、中心部は平屋建て。骨組みは木の柱と梁を使用し、外観は石を貼った「木骨(もっこ)石貼り」という建築です。外観の石は凝灰岩の伊豆斑石を使用しました。開業時の古写真を見ると、平屋部分は木製の柱が見受けられますが、2棟の建屋は重厚な石造りに見えます。こうして駅舎は1871年12月14日に竣工しました。

 余談ですが、私(吉永陽一:写真作家)の曽祖父が大正初期頃に、この駅舎を見たと話してくれたことがあります。石造りの駅舎だったという感想以外は特にありませんでしたが、駅舎は1923(大正12)年の関東大震災によって倒壊・焼失してしまったので、身近で実際に見たという話は貴重です。駅舎は石で覆われていても、骨組みが木製だったのが災いしたのでしょう。

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復元ホームの延長上には、発掘された開業当時の土台部分が見られる。一番下は凝灰岩の基礎石、その上に切石を長辺と短辺交互に積んでいたのが分かる。さらに上辺には笠石があったが、発掘時には失われていたという(2022年12月、吉永陽一撮影)。

 駅舎は古写真でしか見られないものと長年思われてきました。しかし汐留貨物駅廃止後の再開発事業に先立って、港区教育委員会が江戸前島を埋め立てた大名屋敷群の発掘調査を実施し、思わぬものが見つかりました。プラットホームの基礎部分です。

 それは初代新橋駅のものでした。プラットホームとつながる駅舎、転車台、機関庫、貨車用転車台といった基礎が次々発掘され、どんな設備があって、どのような建物だったのかと基礎から判明していきました。

【写真】初代新橋駅と、建設中の烏森(現・JR新橋)駅

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