「東横浜駅」は無くなっても… 桜木町のミニ踏切は鉄道貨物150年の生き証人?

横浜の都心部、桜木町付近にある踏切は、もはや無くなって久しい造船所名をそのまま冠しています。そしてここは、150年に及ぶ鉄道貨物の歴史を感じられる場所でもあります。

造船所の名称、健在なり

 それは「三菱ドック踏切」です。海側には昭和末期まで、1891(明治24)年に設立された横浜船渠会社の工場がありました。横浜船渠会社は後に三菱重工業の造船所になり、造船所で働く技術者・労働者たちが、この踏切を行き来していたことでしょう。ドックとは船の建造・修理・荷役のための設備を指し、踏切名はその名残です。小さい踏切ですが、今でも歩行者の往来が多くあります。

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三菱ドック踏切。かつての三菱重工業の造船所名が残る(小川裕夫撮影)。

 なお高島線は桜木町駅が終点ですが、三菱ドック踏切を通過する貨物列車はさらに南下して、根岸駅や神奈川臨海鉄道の本牧線まで乗り入れます。根岸駅には貨物列車の着発線と荷役線があり、駅ホームからも機関車やタンク車がせわしなく動いている様子を見られます。

 一方、東横浜駅跡地には碑が立っていますが、往時の面影はほとんど消え、再開発によって高層ビル群へと生まれ変わっています。JR根岸線が高架を走り、みなとみらい線が地下を走る中にあっても、高島線はずっと地上線のままです。三菱ドッグ踏切は、東横浜駅の記憶と鉄道貨物150年の歴史を今に伝える生き証人なのかもしれません。

【了】

【地図】廃貨物駅「東横浜」の位置

【特集】なんだこれ? 全国の鉄道「珍風景」ヘンテコでも実は理由あり!

Writer:

フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。官邸で実施される首相会見には、唯一のフリーランスカメラマンとしても参加。著書『踏切天国』(秀和システム)、『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)、『東京王』(ぶんか社)、『私鉄特急の謎』(イースト新書Q)など。

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