沈んだままの造船立国ニッポン 苦境の国内2位JMU 最大手と提携で浮上できるか

日本2位の造船企業JMUが、これまで造船に関わったことがない新社長へ交代します。重工系3社による統合企業として誕生するも、経営は厳しく、さらなる事業再編と他社との提携を模索。日本の造船業界は再び岐路に立っているようです。

経営は安定せず ニーズあるLNG船からは手を引く

 しかし、千葉社長が「想定を超える外部環境の変化により、在任中の収益は厳しいものになった」と振り返るように、同社の経営は厳しい環境に置かれ続けています。特に鋼材や資機材価格の上昇による受注船舶の採算悪化が響いており、2022年4~12月期の連結決算では最終損益が、前年同期の8億円の黒字から、131億円の赤字に転落しました。

「中韓との熾烈な戦いがあり、需給のバランスが非常に悪い。2018年、2019年と思ったような船価で受注ができない状況があった。コロナ禍を経て2021年にコンテナ船を中心に市況が上向き、船価も上がったと思ったら資機材価格の高騰に直面。タンカーの市況は伸びてきているが、厳しい状況に変わりはない」(千葉社長)。

 実際、2021年の竣工量世界1位は中国国有造船の中国船舶集団(CSSC)で1077万総トン。2位から4位までは現代重工業(985万総トン)、大宇造船海洋(464総トン)、サムスン重工業(439総トン)の順で韓国企業が並びます。そして、5位に国内建造首位の今治造船グループ(361万総トン)が入っています。

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JMUの灘新社長(左)と千葉社長(深水千翔撮影)。

 また、JMUは建造したフェリーでのエンジントラブルやLNG(液化天然ガス)船の引き渡し遅延、有明事業所などにおける建造工程の混乱が発生していました。特に国産技術であるSPB(自立角型)タンクを採用した大型LNG船4隻の建造では、LNGの気化を防ぐ防熱工事などで苦戦。これが影響し、2018年3月期の連結業績では純損失694億円を計上しています。

 そのため、世界的に需要が高まっている大型LNG船や、国内で定期的な発注が行われているフェリーの建造からは事実上、手を引いている状態です。運用している船社からの評判は良くても、利益が出なければ事業として継続できません。

【え…こんな船も!】JMUで竣工当時の国内最大級護衛艦ほか(写真で見る)

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