「どこのフェリー?」自衛隊車両を積み込む謎の“民間船” 実は離島防衛の頼れる助っ人 船内大浴場も
いざとなれば自衛官が「はくおう」を操船することも
そもそも防衛省が「はくおう」のような民間保有のPFI船舶を多用するようになった背景には、自衛隊の輸送艦不足が大きく影響しています。
防衛省・自衛隊が自前で船舶を調達し、維持・管理する場合、運航や整備などに従事する海上自衛官を増員し、所要の教育訓練を実施するとともに、個別の船舶について整備器材の確保も含めて、維持・管理を行う必要があります。
2023年現在、海上自衛隊には基準排水量8900トンのおおすみ型輸送艦が3隻ありますが、本土から離れた南西諸島へ地上部隊を機動展開させようとすると、数が足りません。
また、防衛省では陸海空自衛隊の統合部隊として「海上輸送部隊」の新設を計画していますが、そこに配備される予定の輸送艦も2000トン程度の中型クラス船舶(LSV)と数百トン程度の小型クラス船舶(LCU)で、これらは車両・人員の大量輸送には向かないでしょう。一方で大型フェリーが数多く就航している民間の定期航路は、旅客と貨物の輸送がメインであり、船体整備やドック入りも含めて綿密な計画に従って運航しているため、自衛隊が使うには制約があります。
そのため、防衛省は大型かつ高速のフェリーを訓練や災害派遣などの緊急時に自衛隊が優先的に運航できるよう、PFI事業契約を高速マリン・トランスポートと結んでいるのです。
なお、高速マリン・トランスポートでは「はくおう」以外に、「ナッチャンWorld」という船も保有しています。こちらは総トン数1万700トンで、「はくおう」よりも小さいものの、ウォータージェット推進により、航海速力36ノット(約)66.67km/h)と快速なのが特徴です。
この2隻を防衛省はPFI契約に従って使用することができます。ちなみに契約額は約250億円、契約期間は2016年3月から2025年12月末です。
2隻は民間船のため、運航するのは民間船員ですが、仮に有事が発生し民間事業者が運航できない状況に陥った場合には、防衛省が船舶そのものを借り受け、自衛官が乗り込んで、自衛隊として独自に船舶を運航できることになっています。
そもそも200mを超えようが適用除外にして然るべきだろう
この高速フェリーはちと残念だった。この船の先代は約20ノットで、舞鶴・敦賀から小樽まで約30時間、夜10時頃発で翌々朝5時頃に上陸して、そのまま北の大地を走り出せた。
これが高速フェリーで約20時間に短縮されたため、小樽着は翌日の夕方に早まった。上陸してすぐ宿に向かうことになり、無駄に宿代が増え、船で過ごす特別な時間が減っただけで何も嬉しくなかった。
のんびりした船旅も良いものだ。
二之舞的対馬丸!