高速バス「待機場所どうする」問題 減っていく駐車スペース 休憩確保にあの手この手
高速バスは運行を終えると、次の運行まで待機したり休憩を取ったりする必要がありますが、その場所の確保に事業者が苦心しています。都心部の開発で駐車スペースが減少しているため。バス運行の裏で起きている現象を探ります。
アパートに仮眠室を借りるケースも
なお、一口に車両待機といってもいくつかのパターンがあります。短距離路線では、目的地に着いて降車が終わると、忘れ物など車内確認や簡単な清掃を済ませ30分程度で折り返すケースがあります。乗務員はトイレなどで一時的に車両を離れることはあっても、正式な休憩時間ではありません。この場合、休憩は、折り返し便で自分の営業所に戻ってから取るのが一般的です。
片道3時間程度の中距離路線では、折り返しまでの間に、乗務員の正式な休憩時間を取ることになるので、従業員食堂や休憩室を使える共同運行先の営業所などへ回送するのが一般的です。片道5時間以上の長距離路線になると、法令上、仮眠を挟む必要があるので、営業所内や周辺のアパートなどに仮眠室も確保されます。
つまり、車庫ではなく、駅前ロータリーやバスターミナル内、またすぐ近くの簡易的な駐車場で待機している車両は、所要時間の短い高速バスの短距離路線や空港連絡バスが中心だと言えます。
待機場所がない! ついに自社車庫の目と鼻の先で間借りすることに
そのような中、東北急行バスの東京営業所(江東区)に、京成バスが待機していて驚きました。東北急行は東武グループの会社で、京成とは共同運行などの関係はありません。しかも、京成バスの東雲車庫(同)からわずか200メートル。お互いに見える距離です。
京成バスは、もともと、奥戸営業所(葛飾区)などを拠点に高速バスを運行していましたが、東京駅発着路線の増加とともに、東京駅へより近い東雲に車庫を新設しました。増便に次ぐ増便で東雲車庫もいっぱいとなり、共同運行先の便も含む折り返し待機を、旧・浜松町バスターミナルや東京タワー駐車場などでも行っていました。
しかし2020年、浜松町バスターミナルの建て替え工事が始まってから待機場所の確保に苦労しており、2023年から、東北急行バス車庫のほか、東京シティエアターミナル(T-CAT)などでも待機を始めたものです。
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