「おいらん車」オヤ31形トキ鉄へ ハリセンボン出た車両、今後何に使う? 鳥塚社長に聞いた

扇形車庫も譲渡の決め手に

 さて、オヤ31 31にD51形がゆっくりと連結。しばらく構内を前進したのち、転線してバック。転車台へ押し込んで切り離しました。その姿は昭和40年代前半まで日常であった機関区の光景を彷彿とさせます。

 D51形の推進は転車台まで。そこから扇形庫までは職員による手押しです。自重33.1tの車両ですが、6人ほどの職員が力を合わせるとじわじわ動き、扇形庫内へ無事に格納されました。

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一旦停止している合間に、妙高はねうまラインのET127系電車と対面(2023年3月8日、吉永陽一撮影)。

 トキ鉄では扇形庫も活用しており、せっかく譲渡されたオヤ31形は、雨晒しや積雪の中ではなく、扇形庫内でしっかりと保存できます。保管環境が整っていたことも、JR西日本からトキ鉄へ譲渡された理由のひとつだったそうです。

 冬休みだった「直江津D51レールパーク」は3月18日(土)に再開。同時にオヤ31 31も一般公開。気になる車内の様子は、職員立ち会いのもと4月1日(土)と2日(日)に公開され、その後は限定公開となる予定です。

 さらにD51形が牽引しての構内運転も、暑い時期や雨の日を除いて検討されており、実際に目の前で見られる日も近いです。何せ非冷房かつ高齢の車両ゆえに、過ごしやすい天候でないと、来場者も車両も疲れてしまいます。

 また、実際に建築限界測定の光景を再現する企画も計画中で、「安全のため架線下ではなく扇形庫内などで実演していきたい。昔はオヤを見たくても、いつどこで走るか情報がなかったからなぁ」と鳥塚社長。検測の疑似実演を見学することで、昔の様子を子供だけでなく大人も学ぶことができます。

 オヤ31 31はトキ鉄の所有車両となり、同社はいろいろと活用方法を考えています。「逆にオヤを使ったアイディアがあればトキ鉄に連絡ください。私たちは場を提供する側であり、思いもつかないことが実現するかもしれませんから」と、社長は話します。「おいらん車」はより多くの人々に触れられ、鉄道をより深く知る糧となっていくことでしょう。

【了】

※住所を修正しました(3月18日18時00分)。

【写真】「おいらん車」の車内を見る

Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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コメント

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1件のコメント

  1. >JR西日本は鉄道文化を後世へ継承すべく活動する中で

    ゴミを処分したかっただけに見えるのだが、、