レーダー× 無線も×「闇夜に無言でステルス機へ空中給油」の神業 イラク戦争20年 元米軍兵振り返る

イラク戦争開戦から20年を迎えました。開戦初日にイラク本国を攻撃したのがステルス爆撃機B-2。同機に夜間、空中給油を行った空軍兵士の言によると、無線が使いえないなか、ライトを頼りに行うなど、厳しい状況だったようです。

無線使えないなか、誘導どうする?

 給油作業も無線は使われず、B-2への接近の指示はKC-135の下部にあるパイロット・ディレクターライトと呼ばれる信号で指示を出したそう。パイロット・ディレクターライトは2組の縦長のライトで、給油機と受油機の位置関係を知らせるための装置です。

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現役時代のフィル・ランドラム氏。現役時はKC-135RとKC-135Tのブーマーとして任務に就いていた(フィル・ランドラム氏提供)。

 空中給油は2機の航空機が接近した状態で行うため、フィル氏によると非常に神経を使う作業だといいます。また、空中給油機側もブーマー1人がそれを行うのではなく、機体を操縦する機長と副操縦士との連携が必要となってきます。

「受油機(燃料を貰う側の機体、この場合はB-2)が移動しているときは、ブーマーは自分の乗る給油機のパイロットにインカムでその位置を知らせます。具体的には10フィート単位で教え、『50…40…30…20…10…コンタクト』という感じです。ブームと受油機が接続すると、パイロットに知らせて燃料ポンプを操作してもらい、燃料補給を始めます」。

 こうしてみるとブーマーの仕事は忙しく大変なようです。ブーム自体の操作はもちろんのこと、受油機には無線(今回のB-2では使われなかった)とパイロット・ディレクターライトで指示を出し、同時に自機のパイロットへの連絡も行うのです。

 フィル氏によれば、アメリカ空軍で新人隊員が一人前のブーマーになるまでには、約2年半の訓練期間が必要なのだそうです。

「燃料補給が終わると、私はブームの接続を解除しました。するとB-2はゆっくりと後退していきます。私は機体をよく見ようとスポットライトを操作した下に向けましたが、もうB-2の姿は暗闇に溶け込んでいて、その夜はB-2を二度と見ることはありませんでした」。

【写真】KC-135のブーマー席ってどんなとこ? 空自KC-767のブーマー席と見比べ

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