35年経て明かされた米軍の対テロ「極秘暗殺ミッション」 敵地攻撃たった12分 しかし相手を怒らせた
すべての攻撃はわずか12分で終了
その後、システムに不具合が発生した機体や予備機は途中で編隊を離脱し基地へと戻ってきました。トラブルが出なかった残りのF-111(18機)とEF-111(4機)で構成された攻撃部隊は空中給油を受けながら飛行を続けます。そして、暗闇の地中海上空を飛行し、リビアへ近付くと、次第に高度を下げていきます。
電波高度計と地形追従レーダーによって最終的には200フィート(約60m)まで高度を下げてリビア沿岸に接近しました。超低空を高速飛行することで対空砲火をかわすのは、攻撃機の本能のような飛び方です。闇夜で視認されることを防ぎつつ燃料を節約するために、巡航中はアフターバーナー不使用の最大出力、いわゆるミリタリー・パワーで飛行しました。なお、F-111ならびにEF-111は、可変(VG)翼を備えているため、その状態においてもほぼ音速で巡航することが可能でした。
一方、アメリカ海軍は地中海に展開していた空母「アメリカ」から午前1時、A-6E攻撃機とA-7攻撃機各6機、計12機が発艦を開始します。加えて空母「コーラル・シー」からも8機のA-6Eと6機のF/A-18戦闘攻撃機が対空砲火制圧と攻撃機部隊の護衛のため発艦しました。さらに早期警戒機E-2Cも2機が投入され空から警戒と監視を行いました。
リビア時間午前1時54分から、リビアのレーダー網を無力化するために空軍のEF-111と海軍のEA-6B、両電子戦機による合同の電波妨害が始まります。一方、海軍のA-7EとF/A-18からは対空砲火の無力化を目的とした対レーダーサイト・ミサイルAGM-88 「HARM」とAGM-45 「シュライク」が発射されました。
目標への攻撃はリビア時間午前2時00分から開始され 、空軍のF-111はGBU-10レーダー誘導ミサイルおよびMk82爆弾を、一方の海軍はA-6がMk20爆弾とMk82爆弾を目標に向けて各々投下しています。こうして合計7か所の目標に対して計60tもの各種兵器を投下するというミッションは終了。
すべての攻撃は12分間という短時間で終わり、作戦後、空母艦載機はリビア時間午前3時までに全機、空母へ帰還しています。
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