『ガンダム』の“スナイパー”型MSとは? 全長18mの巨体が隠れて狙撃…一体どうやって?

MSじゃ無理! 実戦での「スナイパー」の戦い方とは?

 そもそも現実の軍隊における狙撃手とは、多くの場合、専用の狙撃銃または小銃(ライフル)で狙撃を行うために特別な訓練を受けた存在です。基本的には、適切な狙撃ポイントまで移動して、相手に対して気づかれることなく待ち伏せし続け、目標を確実に捕捉する役割を担います。

 狙撃手とは狙撃に専念すべき立場ですから、周囲の警戒や索敵、射撃した弾丸の観測を行う観測手とペアで動くのが基本であるほか、目標に存在を気づかれ難くするため、迷彩服やギリースーツ(植物を模した覆い)などを身に着けるなど、偽装も施します。

 正しく隠蔽され、かつ実力の高い狙撃手の存在は、少数で多数を撃破、あるいは足止めすることも可能です。第2次世界大戦中にその名を轟かせたフィンランド軍の狙撃手シモ・ヘイヘは、その卓越した力量により、判明しているだけでも542人の敵兵を狙撃し、ソ連軍(当時)に大きな損害を与えたほどです。

 では、狙撃用モビルスーツを使用しての「狙撃」とは、どのようなものになるでしょうか。

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18mの人型兵器は多くの樹木より大きく、存在を隠蔽することは簡単ではありません。(イラストレーター:亜浪)。

 宇宙であれば、隕石やデブリと呼ばれる宇宙のゴミ、また戦闘によって生じた兵器の残骸といった遮蔽物に身を隠し、遠距離射撃に専念することでしょう。そういった戦いを優位に進めるために、『機動戦士Zガンダム』以降では、モビルスーツ型のバルーンなど、自身の存在を隠蔽する装備も登場しています。

 『機動戦士ガンダム サンダーボルト』ではジオン軍のダリル・ローレンツが、狙撃戦闘を繰り返して、地球連邦軍に甚大な損害を与えただけでなく、味方に攻撃目標を指示するなどしていました。

 では、地球上やコロニー内での狙撃戦闘はどうなるでしょうか。ここで問題となるのは、モビルスーツが巨大であるという点です。筆者は「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」で実物大の動くガンダムを見てきましたが、300m以上離れていても存在がはっきり認識できるほどの巨大さでした。ガンダムの全高18mとは、奈良の大仏(15m)を上回り、6階建てのビルに匹敵するサイズであるため、隠蔽するのは大変なことです。

【狙撃型MSと同じ使い方?】超ロングレンジ兵器 ドイツの80cm列車砲「グスタフ」(写真で見る)

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コメント

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4件のコメント

  1. モビルスーツの不条理武装いえばザクと前装式迫撃砲

  2. デュナメスとケルディムを忘れないで😫

  3. なぜミリタリーの項目でアニメのネタを?

  4. モビルスーツで一番不可思議なのは、脚があること!
    ロボットアニメとしては人型兵器として絶対必要なものなのでしょうが、脚を動かす動力やら燃料やらを考えたらガンタンクのようなキャタピラーの方がリアルかと!
    ボトムズのATのように比較的小さくて人工筋肉で動かしてるような設定なら納得するのですが、モビルスーツは油圧とモーターのハイブリッドで駆動してるようなので非常に動力の無駄遣いをしているように思われます!
    それを是非こちらで検証してもらいたいです。m(_ _)m