ミニバンが「偉い人の車」だと!? 日本人からすれば当然? “究極形”レクサスLMが生まれたワケ

お抱え運転手が偉い人を運ぶショーファードリブンとしての「ミニバン」。レクサスが発表した新型「LM」は、ある意味ミニバンの究極の形といえるでしょう。欧米の価値観からすればあり得ない発想は、なぜ生まれたのでしょうか。

ミニバン先進国ニッポン 30年の集大成としての「LM」?

 そうした日本ならではの背景をもとに、1990年代に最初から乗用目的に開発されたトヨタ「エスティマ」や、ホンダ「ステップワゴン」などが誕生して、ヒット車となります。また、日産「セレナ」などの商用バンを乗用車に仕立てなおしたミニバンも数多く生まれました。日本では、もう30年ほども前からミニバンを乗用車として利用する文化が生まれていたのです。

 ジャンルの人気が高まり、ライバルが数多く生まれ、切磋琢磨されれば、当然、そのジャンルの技術的レベルも高まります。そして商品力が高くなれば、さらに売れるようになる。そんな正のスパイラルにより、気が付けば日本はミニバン天国となっていました。2022年度の新車販売ランキングを見れば、それは明らかです。

 年間で最も数多く売れたのは、約29万7000台のホンダの軽自動車「N-BOX」でした。これは2列シートではありますが、背が高く、両側スライドドアを備えた、言ってみれば小さなミニバンです。さらに登録車のベスト10を見ると、4位にトヨタ「ルーミー」、5位「シエンタ」、6位ホンダ「フリード」、8位トヨタ「ノア」、9位「ヴォクシー」と、5台が両側スライドドアを備えたミニバンです。

 このようにミニバン先進国と言える日本の目線で言えば、ショーファードリブンのレクサス「LM」に違和感を持つ人は少ないはず。

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海上幕僚長を運んできたトヨタ「アルファード」。近年は公用車として選ばれている(柘植優介撮影)。

 では、レクサス「LM」が販売される中国やアジア地区ではどうでしょうか。

 これも状況としては、欧米よりも日本に近いと言えます。まず、中国をはじめアジア地区は、どこも渋滞が慢性化しており、その移動速度は、どこも遅いのが特徴です。また、クルマの普及の歴史は浅く、まだまだクルマは高額商品であって、一家に一台がようやく。そのためミニバンは、もともと人気の高いジャンルでした。

 特にインドネシアは、昔からお抱え運転手付きのクルマとして、現地生産されたトヨタ「イノーバ」や「アバンザ(ダイハツ・セニア)」が最も数多く売れるクルマになっています。

 そういう意味で、レクサス「LM」の中国&アジア地区への投入と、そのヒットは当然。むしろ、必然だった言えるのではないでしょうか。この秋には日本にも導入が予定されており、ヒットモデルになる可能性は大。来年以降、数多くの「LM」を街で目にすることになるはずです。

【了】

※誤字を修正しました(5月11日17時06分)。

【センチュリーとどっちがいい?】レクサス新型「LM」の驚くべき内装(写真で見る)

Writer:

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体にて新車レポートやエンジニア・インタビューなどを広く執筆。中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。1966年生まれ。著書「自動車ビジネス」(クロスメディア・パブリッシング)

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コメント

1件のコメント

  1. 黒塗りのアルファードなんかはソープの送迎に主に使われますよね

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