東京の「国が見捨てた構想路線」一部復活中!? 明暗わかれた1985年の鉄道計画 “壮大すぎた環状線”も
「答申」にすら載らない「ボツ」構想路線があった
ところで、さらには答申にすら取り上げられない「ボツ」路線も存在します。これはどのように取りまとめられたのでしょうか。その経緯を資料から辿ってみました。
「運輸政策審議会」は学識経験者や業界団体関係者などから構成され、運輸大臣(現:国土交通大臣)の諮問機関という位置づけであり、官庁、地方自治体、鉄道事業者へのヒアリングを元に、個別事業者の利害関係から離れた立場で計画の「すり合わせや優先順位付け」を行い、答申を取りまとめます。
つまり答申の水面下には、ヒアリングで要望があったものの優先順位(実現性)が低いとして見送られた路線、さらなる検討を要する時期尚早な路線などの「保留路線」があり、それはさらに、次の答申以前に事業化が決定した路線、次回以降の答申に登場する路線、今もなお検討中の路線、情勢の変化で断念された路線に分類されます。
通常、答申に含まれなかった「ボツ構想」は表舞台には登場しませんが、運輸省の広報誌『トランスポート』1984年8月号掲載の審議会小委員中間報告に、各団体からの「要望路線」の一覧がまとめられているので見ていきましょう。
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