「なぜ今更彼らと…」 仏ダッソーCEO 次世代機開発にベルギーを入れたくない理由とは

突如F-35を買うことを決めたベルギー

 ベルギーは2018年10月に突如F-35購入を決定し、他のヨーロッパ連合(EU)諸国から批判を浴びたことがあります。

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ベルギーなど欧州諸国が採用しているF-35「ライトニングII」(画像:アメリカ空軍)。

 というのも、当時EUではアメリカ製兵器への依存を低くする方針で、特にフランスはこの方針を推し進めていた国でもありました。

 最初ベルギーは、フランスなどの方針に従い、「タイフーン」をF-16に代わる次期戦闘機候補にあげていましたが、維持費などがネックとなりF-35を購入するという決定をしました。なお、ダッソーが開発した「ラファール」に関してもアメリカ製の武装と互換性がなく、殆ど使用できないということで候補からは外されていました。そういった経緯もあったからこそ、今回のトラピア氏の批判かもしれません。

 その後、2019年9月にはポーランドが、2022年7月にはチェコがF-35の購入を決定。同機の配備はEU構成国に拡大していきます。

 ちなみに「FCAS」に参加しているドイツも、2022年2月にロシアがウクライナへ侵攻したことを受け、防衛予算を見直し2022年12月にF-35の調達予算を承認しており、スペインも強襲揚陸艦「ファン・カルロス1世」の艦載機としてF-35Bに興味を示していますが、この件に関しての抗議はフランス上院の公聴会ではなかったようです。

【了】
※誤字を修正しました(6月12日9時25分)。

【現状では3か国共同】ダッソーが参加するFCASの機体イメージほか(写真)

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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