ベルギーがF-35導入の意義は? 日本も他人事ではないその決定をどう読み解くべきか

ベルギーがF-35戦闘機の導入を決定したというニュースが世界中を駆け巡りました。そこにはどのような背景や意義があるのでしょうか。もちろん、日本にとっても他人事ではありません。

F-35導入国は13か国に

 2018年10月25日(木)、ベルギー政府は現在同国空軍が運用しているF-16戦闘機の後継機として、アメリカ政府とロッキード・マーチンが提案していた、F-35A「ライトニングII」を選定したことを明らかにしました。F-35はこれまでにアメリカ、日本、イギリスなど12か国に採用されており、ベルギーは13番目のF-35の採用国ということになります。

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ベルギー空軍への採用が決定したF-35A(竹内 修撮影)。

 ベルギー空軍は1975(昭和50)年に、F-16戦闘機の単座型F-16Aを96機、複座型のF-16Bを20機導入。1990年代初頭にA型84機、B型6機に対して飛行可能時間を3500時間から5000時間以上に延長した上で、レーダーやコンピューターなどの更新といった大規模な近代化改修を加えた単座型のF-16AMと、複座型のF-16BMを運用してきました。

 ベルギー空軍は2018年の時点でF-16AMを44機、F-16BMを9機運用していますが、ベルギー空軍に引き渡されたF-16は、最も新しい機体でも2018年の時点で機齢33年に達しており、遠くない将来に全機の飛行時間が5000時間を超えることから、ベルギー政府は2017年3月に、F-16を後継する新戦闘機34機の導入計画をスタートさせることとなりました。

 ベルギーの新戦闘機計画に対してはF-35のほか、イギリス、イタリア、ドイツ、スペインの4か国が共同開発したユーロファイター「タイフーン」、フランスのダッソー「ラファール」、スウェーデンのJAS39「グリペンNG」が提案されました。

 しかし「グリペンNG」はスウェーデン政府とメーカーのサーブが、ベルギー政府の要求を充たせないとして提案を取り下げ、「ラファール」についてはこれを導入した場合、F-16用にベルギー空軍が導入したAIM-120「AMRAAM」空対空ミサイルなどのアメリカ製搭載兵装が運用できなくなることなどから、ベルギー国防省が候補から除外。最終的にF-35Aとタイフーンの一騎打ちとなっていました。

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