ロシア軍なぜ苦境? クリミアで世界を震撼させた無人機大国のはずが その内部事情

ロシア・ウクライナ戦争では、ドローンが勝敗のカギを握るとさえいわれますが、その戦力はウクライナが上回っているともいわれ、ロシアは苦戦を強いられています。機体不足や操縦者の技量不足が指摘されますが、内部事情もいわくつきです。

イラン、中国がロシアを支える

 CNAのロシア専門家は「ロシア軍の取得サイクルと研究開発サイクルは、この商業技術に追いついていない。簡単に言えば、ロシア国防省は非常に大きく、官僚的で、重い組織であり、方向転換には長い時間がかかるのです」と報告しています。

 ロシア軍の無人機戦力を何とか支えているのは、イランからの輸入品と民間団体からの中国製市販品の寄付だとCNAは指摘しています。ロシアがイランの無人機を導入する理由は、イラン製の多くが同国産で欧米による経済制裁の影響を受けにくく、サプライチェーンが安定しているからです。また、イラン製の多くが自爆型であり、ロシア軍はイランで無人機運用の訓練を受け、イランの無人機をロシア国内で生産する共同事業も立ち上げたようです。

 他方、ロシアの民間団体が中国製ドローンを購入して部隊に寄付するといったことも行われています。CNAでは中国政府の公式的輸出禁止の立場とは別に、最も使われているドローンが中国メーカーDJIの「Mavic」シリーズであると報告しています。

 民間団体の動きは活発なのですが、なぜ官僚主義の国防省がそこへあまり干渉しないのか、理由はまだよくわかりません。民間まで巻き込んで戦力補充をしようという動きは、2014年以降必死に防衛力増強のため奔走してきたウクライナにも似ているのが皮肉です。

 2022年11月下旬、ボランティアによって運営されている複数の親ロシア派のテレグラム・チャンネルが、自分たちの輸入している中国製無人機がロシアの税関によって国境で留め置かれていると投稿しました。ロシアのブロガーたちは、前線部隊への無人機納入を妨げる行政障壁をロシア政府および国防省が設けており、一部で政府の「誰か」が無人機の輸入と配送の権益を独占しようと画策しているとまで言い放っています。

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