ロシア軍なぜ苦境? クリミアで世界を震撼させた無人機大国のはずが その内部事情

ロシア・ウクライナ戦争では、ドローンが勝敗のカギを握るとさえいわれますが、その戦力はウクライナが上回っているともいわれ、ロシアは苦戦を強いられています。機体不足や操縦者の技量不足が指摘されますが、内部事情もいわくつきです。

ロシアが苦戦を強いられる組織の問題とは

 このように様々な要因からロシア軍への無人機の補充は遅れており、民間団体や軍内の将兵有志が改善に向け努力しているようですが、そもそもロシアの権威主義的な社会は、このようなボトムアップのイノベーションには不向きだと見られています。

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ウクライナ海軍のトルコ製「バイラクタルTB3」。ミサイル巡洋艦「モスクワ」撃沈にも関わったとされ、抵抗の象徴のひとつにもなっている(画像:Армія Інформ,CC BY 4.0,via Wikimedia Commons)。

 無人機を有効活用するには、それを使いこなせる指揮官とオペレーターを育成する必要がありますが、軍内では訓練の優先順位は低く、無人機の専門家もあまりに少ないのが現状です。英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)によると、ロシア軍は経験を積んだベテラン兵士を休息させたり、教育支援や新兵育成に使ったりすることをせず前線で使いつぶす傾向にあり、戦訓や革新的技術は共有化、体系化、普及されるよりも、個人や小単位内で消費されてしまっていると指摘します。

 ロシアの無人機戦争は苦戦が続きそうですが、RUSIは過小評価することも禁物と警告します。ロシア軍部隊は、まとまった数の無人機と訓練を受けたオペレーター、有能な指揮官、データを共有するための戦場ネットワークなど適切なピースを揃えれば、戦局を左右し得る能力を発揮するでしょう。RUSIの最近の報告書でも、無人機「オルラン10」が目標を発見してから砲撃が始まるまでの時間は、「約3~5分と依然として迅速である」と指摘しています。

【了】

【エイみたい!?】ソ連で発案された“空飛ぶ潜水艦”

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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