「戦車がロシア製?うちの国のいかがですか!」 世界で進む兵器の「脱ロシア化」波に乗る国 乗れるか日本?

「ロシア製兵器を引き取ります」のドイツ 一気に“爆買い”のポーランド

 ドイツは2022年から、旧ソ連(ロシア)製兵器を引き取ってウクライナへ供与し、旧ソ連(ロシア)製兵器をドイツに引き渡した国に代償としてドイツ製の兵器を引き渡す「指輪の交換」と呼ばれるプログラムを開始しています。

「指輪の交換」は当時のドイツが政治的な理由から、直接ウクライナに自国の兵器を供与することが困難であったことから生まれた苦肉の策です。しかし、老朽化したT-72戦車をウクライナに供与する代償としてドイツからレオパルト2A4戦車14両を入手し、新型のレオパルト2A7の購入交渉権も得たチェコのように、東ヨーロッパ諸国の中にはこのプログラムをうまく利用して、急速かつ安価に自国軍の兵器の「脱ロシア」を達成した国も出現しています。

 同じ東ヨーロッパのポーランドは、2022年に韓国からK2戦車980両、K9自走砲648門、FA-50戦闘機 48機を“爆買い”しています。

 韓国製の兵器はNATO基準に準拠している上、欧米の同等の製品に比べて安価で納期も早いことから、ポーランドはこれらを利用して、ドイツとの「指輪の交換」をあてにせず「脱ロシア」を図っています。

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防衛装備品の「脱ロシア」を進めているポーランドが韓国から導入したFA-50GF軽戦闘機(画像:KAI)。

 兵器マーケットにおける「脱ロシア」の動きはアジアにも広がりつつあります。

 インドはアジア太平洋地域の中でもロシア製兵器への依存度が高い国の一つですが、同国のナレンドラ・モディ首相は2023年2月に、従前から進めていた兵器の国産化をさらに推進して、ロシアだけではなく、外国製兵器への依存からの脱却を図る方針を示しています。

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