「戦車がロシア製?うちの国のいかがですか!」 世界で進む兵器の「脱ロシア化」波に乗る国 乗れるか日本?
日本も「脱ロシア」の波に乗れるか?
他方、ベトナムもインドと同様、ロシア製兵器への依存度が高い国の一つですが、同国はインドほど兵器の国産化が進んでいません。
ベトナムの首都ハノイで2022年12月に開催された防衛装備展示会「VIDEX」の開幕式でファム・ミン・チン首相は「安全保障上の課題に対応するため、兵器の調達チャンネルの多様化や外国の技術の導入を進めていく」と明言しました。
ロシアとの関係を断絶するつもりはないものの、これまでベトナム人民軍が兵器を調達してこなかった欧米諸国などのメーカーからの兵器の調達や、共同開発などにも積極的に取り組んでいく――という意向を示しています。
筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)はVIDEXを取材しましたが、ロシアで兵器の輸出などを手がけるロスオボロンエクスポルトのパビリオンが、外側に数点の小型無人機や模型を展示して招待客以外立ち入り禁止となっていたのに対し、豊富な展示品を持ち込んだインドや、趣向を凝らした展示を行った日本の防衛装備庁のパビリオンには、ベトナム軍関係者を含めて多数の来場者が訪れていました。
日本の防衛装備品の輸出は防衛装備移転三原則の制約や経験不足もあって、今のところ低調ですが、全世界的な「脱ロシア」の流れを利用すれば、商機を拡大できる……かもしれません。
【了】
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
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