「世界最速の飛行機」を生み出した“とんでもないエンジン”伝説 速けりゃ全てをかわせると考えたCIA

有人実用機としての世界最速記録をもつSR-71戦略偵察機。同機が実用化できたのはP&W社がマッハ3クラスを出せる実用エンジンを開発できたからこそ。ただ、その構造は特殊でした。

CIA向けA-12を基にYF-12とSR-71の2機種も開発

 このJ58エンジンの構造上における大きな特徴は、特殊なバイパス機構を採用していたことです。ファンを持たない単軸のターボジェットエンジンではあるものの、圧縮空気の一部が抜き取られ、燃焼室を迂回(バイパス)してアフターバーナー部へ導かれています。なお、このバイパス機構は超音速飛行時のみ機能するようになっていたそうです。

 なお超音速飛行時にはアフターバーナーが常用されるため、J58エンジンはアフターバーナーの連続使用が可能な最初のエンジンでした。

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1986年8月8日、カナダのアボッツフォード空港で行われた航空ショーで展示されたSR-71偵察機(細谷泰正撮影)。

 このJ58エンジンを搭載して最初にCIAが開発した機体がA-12とよばれる単座機でした。同機は12機の偵察機型と1機の複座練習機型が作られています。次にアメリカ空軍向けとして開発されたのが、A-12を複座にした戦闘機型YF-12と戦略偵察機型SR-71でした。ただ、戦闘機型YF-12は採用されず、部隊配備はSR-71のみに留まりました。

 こうして3種類の機体が作られましたが、どの型も円錐形の「スパイク」と呼ばれる空気取り入れ口が外観上の大きな特徴になっています。この円錐形のスパイクはマッハ1.6になると後退が始まり空気取り入れ口の内部へ位置が移動します。これは空気取り入れ口の喉にあたる部分の形状と組み合わせることで圧縮効果を得るためです。

 このメカニズムはSR-71などJ58エンジン搭載機のもうひとつの特徴で、これによりマッハ3.2の連続飛行を可能にしていました。

【まるで宇宙船みたい…】これが「ブラックバード」のコックピット内部です(写真)

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コメント

2件のコメント

  1. 筆者殿

    つぎは世界「最遅」の飛行機の記事を

    書いてください

    速いのはわかった

    では固定翼はどこまで低速で飛べるのか

    失速ギリギリでも平然と飛べる固定翼機

    ここにむしろ関心があります

    主翼の前縁にたくさん並んでいるトゲトゲ

    あれがなんで低速飛行に有効なのかとか…

    • 「ホバリング(=0km/hで飛行)可能な固定翼機」は存在します。…が、これは「エンジンの推力を真下に向ける」というやり方なので、云わんとすることはそうではないはず…

      所謂「鳥人間コンテスト」の機体は20km/h弱でも飛べるものがあるとか

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