人類終わってたかも? 世界最大・最恐の爆撃機B-36が奪った「たった一つの命」とは

巨大核兵器に使える! けど海軍が大反対

 B-36は全長49.4mという巨大な胴体の半分以上が爆弾倉で、日本に甚大な被害を与えた重爆撃機B-29の4倍以上にあたる8万7200ポンド(約3万9600kg)以上の爆弾を搭載できる能力を備えていました。

 このB-36の開発当時、アメリカは全長7.6m、総重量4万2,000ポンド(約1万9000kg)の巨大な核兵器、Mark.17水素爆弾の開発を進めていました。B-36はMark.17の運用母機にうってつけで、当初に想定されていたドイツや日本に対して大量の通常爆弾を投下して絨毯爆撃を行う爆撃機ではなく、アメリカにとって新たな脅威となった旧ソ連を、核兵器で攻撃する爆撃機として運用されることとなりました。

 B-36は1948年から運用が開始されましたが、その2年後に勃発した朝鮮戦争では、B-36と同様にレシプロエンジンで飛行する巨大な爆撃機のB-29や、その改良型であるB-50が、ジェット戦闘機のMiG-15によって次々と撃墜されていたことなどもあって、B-36は朝鮮戦争に投入されることはありませんでした。

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試作機のXB-36。まだジェットエンジンがついていない(画像:アメリカ空軍)。

 こんな大型爆撃機は、今後の戦争では役に立たないのではないか――そのような声もアメリカ国内で聞かれるようになりました。

 この意見の急先鋒となったのは誰あろうアメリカ海軍でした。海軍はジェット戦闘機に対して脆弱で、巨大であるが故に高価なB-36のような爆撃機を導入するよりも、AJ 「サヴェージ」やA3D「スカイウォーリアー」といった核兵器運用能力を持つ攻撃機と空母を導入した方が合理的であるとして、B-36を「10億ドルの失敗」と呼んで批判していました。

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