“冷え冷え地下鉄”どう実現? 排熱との長~い戦の歴史 昔は「路線ぜんぶ冷やせ!」

いまでこそ完全冷房化が達成されている東京の鉄道網ですが、地下鉄車両に冷房が完備されたのは20世紀末とのこと。実は冷房設置には地下ならではの課題があったようです。

これぞ省エネの恩恵?

 20世紀後半になって急速に車両冷房化が進展したのは、電車の冷房装置が進化し、排熱の少ないものが登場したことに加え、電車の「省エネ化」も背景にあるということでした。車両冷房の導入には使用電力の大きさが課題になっていましたが、走るために必要な電力が少なくなったことで、冷房が使えるようになったそうです。

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現在の東京メトロの前身である東京地下鉄道時代の銀座駅(画像:『東京地下鉄史』より/国立国会図書館蔵)。

 東京メトロによると、1927(昭和2)年に地下鉄が開通した当時は「冬は暖かく、夏は涼しいというのがウリ」だったといいます。しかし都市化の進展や人口増とともに路線が延び、運転本数や両数が増え、相対的に地下鉄内の熱量が増加していったそう。

 このため、1964(昭和39)年に営団地下鉄(当時)第3の路線である日比谷線が全通したころから高温対策が叫ばれるようになり、1971(昭和46)年から駅およびトンネル内冷房を開始。車両冷房の導入は、それから17年後のことでした。

【了】

【え…マジで?】これが「車内冷房がなかった頃」の地下鉄です(写真)

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