軽油って“軽い”の? なくならぬ「軽自動車に軽油」勘違い ガソリンと「混ぜるとヤバイ」これだけの理由

ガソリンで動く自動車に、間違えて軽油を入れてしまったというトラブルが相次いでいます。なぜ燃料の種類を間違えるとダメなのでしょうか。

ガソリンと軽油は何が違う?

●ガソリンと軽油は何が違う?

 ガソリンエンジンとディーゼルエンジンは、基本的な仕組みは同じで、蒸発させ圧縮した燃料を爆発させ、その威力でシリンダーを動かし、回転力に変えて車輪を回すものです。

 しかし、燃料を爆発させる方法が異なります。ガソリンエンジンは火花で点火して燃やしますが、ディーゼルエンジンは蒸発燃料を圧縮時の加熱だけで「自然発火」させるものです。

 そのため、ガソリンは比較的低い温度で燃えますが、ディーゼル燃料(軽油)は高い圧力下による高い温度でやっと燃えます。同じ油類といっても、その化学組成と性質は全く違うのです。

 原油からの精製段階も異なり、それが1リットルあたりの単価の違いを生む要因のひとつです。

「軽油」の名は、重油を精製して軽くなったものだから、という程度の語源といいます。英語では「ディーゼル燃料」という表現が一般的で、公益社団法人 石油学会は「『軽油』は漢字として不適当であり,中油あたりが適当だったのかもしれない」とも述べています。

●入れ間違えたら、具体的に何のトラブルが起きるの?

 ガソリン車へディーゼル燃料(軽油)を入れると、ディーゼルエンジンのように圧縮されないので、うまく点火されず、くすぶったようになります。排気ガスは黒く、モクモクしたものになります。

 そのうち、火花を出す「スパークプラグ」というパーツが軽油にまみれていき、もう点火すらまともにできなくなってしまいます。

 いっぽうディーゼル車へガソリンを入れても、やはり発火特性の違いからうまく燃えず、噴射ノズルや燃料ポンプへダメージがかかることとなります。排気ガスは白い煙になって出てきます。

 ※ ※ ※

 もし入れ間違えたことに気づいた場合、「燃やそうとしなければ」エンジン内へのダメージはありません。ガソリンスタンドや工場へ移送して、タンク内の燃料を抜き取るなどの処置を行ってもらいます。

 なお、日本自動車販売協会連合会のデータによると、2022年に国内で販売された乗用車のうち、ガソリン車は42%に対し、ディーゼル車はわずか5.6%。ディーゼル車はマツダ・三菱の2社製がほとんどです。ともあれ、普段運転しないクルマに乗る場合は、その車種のエンジンがどちらのタイプなのか、きちんと確認しておくことが重要です。

本文を一部修正しました(8月20日9時50分)

【了】

【画像】2秒でわかる!これが「ガソリンエンジン」「ディーゼルエンジン」の仕組みの違いです

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