損保ジャパン 顧客の点検費用を負担 ビッグモーターの不正請求問題で被害者救済へ 社長は辞任

事件対応ののち辞任へ。

事件対応ののち辞任へ

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損保ジャパンの本社(乗りものニュース編集部撮影)。

 損害保険大手「損保ジャパン」が2023年9月8日、SOMPOホールディングスとともに東京都新宿区の本社で記者会見を開き、白川儀一社長が辞任すると表明しました。辞任時期は今後決定されるとのこと。

 中古車販売大手「ビッグモーター」(以下、BM)による不正な保険金請求の実態が明るみに出るなか、取引先の損害保険会社「損保ジャパン」もその不正に加担していたとして、金融庁による立ち入り検査も予定されている状況となっていました。

 同社グループ内での調査では、BMの事件が発覚した2022年6月15日に、損保ジャパンへは取引を一度停止していましたが、同年7月6日に関連役員での会議で、「BMとの関係が不可逆に悪化する」ことを懸念し、厳しく再発防止策を求めることで、追加調査をせずに取引再開を判断。同25日に取引を再開したとしています。

 損保ジャパンは事故を起こした客の車をBMへあっせんするなど関係が深く、2015年から社員をBMの板金部門などへ出向させています。ピーク時はBMの取引額200億円のうち120億円のシェアをしめていたといいます。

 一連の不正事案を受けて損保ジャパンは今回、被害者対応に乗り出します。

 BMに入庫し、実際に修理を受けた損保ジャパンの契約者および事故の相手方で「クルマの走行に不安のある方」を対象に、法定24か月点検相当の項目と顧客から申し出があった異常箇所について、点検費用を損保ジャパンが負担するといいます。

 また、上記の条件でクルマの調査を希望する人については、損保ジャパン社員が原則として訪問のうえ、修理箇所と事故の因果関係があると思われる箇所について、見積どおり作業されているかの調査をするということです。

 顧客の保険等級については、BMの調査結果をまたず、損保ジャパンによる調査が完了した時点で等級訂正手続きなどを案内するといいいます。なお、損保ジャパンはBMに係る一連の不正請求被害者に向け専用の窓口を設置しています。

 損保ジャパンはBMとの保険代理店委託契約を終了しますが、現在契約している人で、取扱代理店の変更を希望する人には、委託契約終了前であっても応じる構えです。これら事項について、損保ジャパンは顧客へ書面で案内するということです。

 社外調査委員会での調査が引き続き進められており、その結果をふまえ最終的な責任の所在が明らかにされるといいます。

【了】

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