段ボール製ドローンで戦果!? ウ軍の高コスパ兵器は有望か幻想か 長所は「チープすぎること」
まるでホビー用ラジコン機
特徴は段ボールドローンといわれるように安価で取り扱い易いということです。出荷時は縦760mm×横510mm×厚さ45mmの平面板状(フラットパック)であり、容量を取らず大量輸送が可能。型紙から部材を切り抜いて機体を組み立てます。一般的な工具と接着剤を使って組み立てができ、専門的な知識は必要ありません。大きく機体胴体と翼の2つのパーツに分かれ、太いゴムで固定されるというホビー用ラジコン機のような構造です。
価格は1機3000ドル(約43万5000円)~3500ドル(約50万7000円)と、ホビー用ラジコン機よりは高めですが、軍用としては破格の安さです。
自律飛行が可能で、GPS誘導はもちろん、GPS妨害を受けても自律飛行用ソフトウェアが搭載されており、速度と方向からおおよその飛行位置を特定して飛行します。操作は誰でもできるようAndroid端末を使ったインターフェイスになっています。
翼長2m、ペイロードは3kg、巡航速度60km/h、ペイロードによりますが最大飛行時間1~3時間、最大飛距離が40~120km、手投げでもゴムカタパルドでも発進できるとされます。基本は使い捨てですが、エンジン・モーターや操縦系、サーボは回収して再利用できます。前述の記事では約170km先を攻撃したとされており、カタログデータと辻褄が合いませんがこの差異は不明です。
では、PPDSのようなチープな段ボールドローンが、警戒厳重なはずのロシアの飛行場まで侵入できたのはなぜでしょうか。それは「チープすぎる」ことが最大の要因だと考えられます。
機体の素材は段ボールと発泡ボードであり、レーダー波をあまり反射しませんのでステルス性に優れます。また、遅すぎてレーダーは航空機と認識できないようです。結局探知は目視や聴覚に頼るしかなく、対処は遅れます。
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