世界最小の戦車「豆戦車」どれくらいミニサイズ? 大流行して「すぐ消えた」納得の理由
ポーランド侵攻で脚光を浴びるも…
1930年代に世界各国で生産された豆戦車は、第二次世界大戦でも戦争序盤に使われます。開戦直後のドイツによるポーランド侵攻では、TKSという豆戦車に乗ったポーランド軍のエドモンド・ローマン・オルリック見習い士官が、首都ワルシャワ西方のシェラクフの戦いで、ドイツの35(t)軽戦車7両を待ち伏せで撃破するなどの戦果をあげています。
大戦中盤以降も、豆戦車は戦場で使用されますが、急速に進化していく戦車相手では、たとえ不意を突いた待ち伏せであっても勝てないことが明らかとなりました。さらに歩兵の携行火器の進化も著しく、戦車以外の戦でも苦戦するようになります。
そのため、輸送や偵察、警備など、戦闘以外の任務で使用されることも増えますが、輸送目的でも通常の兵員輸送車や装甲車の方が効率はよく、豆戦車は急速に衰退していくことになります。
戦後は対戦車用の歩兵携行火器の装備が充実したこともあり、しいて豆戦車で戦場に出る意味もなくなりました。待ち伏せは歩兵が対戦車兵器を持ってすればいいからです。
ちなみに、1960年に正式採用された陸上自衛隊の60式自走106mm無反動砲は、広義の意味で豆戦車に分類されることもあります。これは戦車砲ではなく、60式106mm無反動砲を搭載する履帯で動く車両で2008年3月31日まで運用されていました。似たようなコンセプトはアメリカ海兵隊で運用されていたM50「オントス」程度しかない珍しい車両でした。
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