地下鉄車両のスピード王? 都営浅草線5500形 長距離ランナーは車内も快適!
体格差にも配慮した設備
座席幅は5300形と比較し、1人あたり460mmから475mmへ拡大されました。これは関東の通勤形電車としては最大級です。座面は1人ごとに区切られたバケットシートであり、座り心地はやや硬いものの、やはり広いスペースは快適です。
「多様化する環境に対応し、質の高いサービスを提供」するために、車内に空気清浄器「ナノイー」を導入したほか、全ての車両に車いすスペース、もしくはフリースペースを設置しています。側扉の上には、多言語対応の17インチ液晶ディスプレイによる車内案内表示器を設置し、右側が行先・乗換案内、左側が広告動画用として使われています。
また、各車両の天井部分に防犯カメラが4台設置され、防犯性を向上させています。客室設備はユニバーサルデザインを取り入れ、客室の床面とホームとの段差を解消するために、側扉付近の床面にホーム側への傾斜が付けられているほか、床面色により、扉付近が明確に分かる色分けがなされています。
さらに荷物棚は5300形と比較し、130mm下げられました。背の高さの違いにも配慮されたわけですが、吊り手も一部に低いものが設置されています。側扉にも、万が一体やものが挟まっても引き抜きやすい構造にするといった改良が加えられています。
車両は列車情報管理制御装置(INTEROS)を搭載しており、車両の運転保安上重要な制御系を二重回線としています。さらに状態監視と案内情報を別回線とし、情報の高速伝送化を実現しています。
なお5500形だけではありませんが、都営地下鉄の一部車両には「子育て応援スペース」が設置されており、「だるまちゃん」「ぐるんぱのようちえん」「きかんしゃトーマス」「ディック・ブルーナ(うさぎのミッフィー)」などのイラストや関連掲示がなされた、楽しいスペースとなっています。
「子育て応援スペース」が設けられた車両の運用は、どの柄かは分からないもののホームページで公表されており、狙って乗車してみるのも面白いでしょう。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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