サンタになるのも自衛隊の「作戦」です! 謎の“コスプレする人道支援活動”とは なんと70年以上の歴史

毎年12月になると南太平洋の島々に対して援助物資の空中投下、通称「クリスマス・ドロップ」が行われます。現在、航空自衛隊も参加していますが、その起源は70年以上前に偶発的に始まったものだとか。いったいどんな作戦なのでしょうか。

島民に危害加えないよう、回収しやすいような配慮も

 このように、当初は偶発的に始まった物資投下でしたが、翌年からは正式なオペレーション(作戦)として、アメリカ国防総省による管轄のもと毎年行われるようになりました。

 なお、クリスマス・ドロップ作戦は人道支援という面もあるものの、実施しているアメリカ空軍や航空自衛隊にとっては災害救助および物資投下の訓練として行っている部分も大きいといいます。投下される物資は、住民や住居を脅かさぬよう、細心の注意を払って、回収しやすい海岸に近い海面に投下されます。

 防衛省/航空自衛隊がこの作戦に初めて参加したのは2015年のこと。1年目はオーストラリア空軍とともに小牧基地の第1輸送航空隊のC-130Hと隊員約20名が参加、以後毎年、その名を連ねるようになりました。

 2019年にはアメリカ空軍、航空自衛隊、オーストラリア空軍だけでなく、ニュージーランド空軍、またオブザーバーとしてバングラデシュやマレーシア、モンゴルなどアジア6か国も参加。ミクロネシアだけでなく北マリアナ諸島やパラオなど57の島にプレゼントが投下されています。

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航空自衛隊のC-130H輸送機を、日本国旗を振って出迎えるパラオの住民たち(画像:在パラオ日本大使館)

 2020年はCOVID-19のパンデミックを受けて、規模こそ縮小したものの実施され、2021年と2022年も例年通り行われています。そして、前出したように今年も「オペレーション・クリスマス・ドロップ2023」という作戦名のもと、その規模を昨年よりも拡大し、より多くの支援物資をミクロネシアやパラオ、北マリアナ諸島の人々にプレゼントして回っています。

 投下されるプレゼントの中身は、粉ミルクや食料品、衣類、学用品、おもちゃ、医療品から、漁網や建材まで多岐にわたるそう。これらの物品はグアムの住民や企業による寄付で集められています。

 ちなみに、この作戦の時ばかりは、投下物資の箱の表面にカラフルなイラストを描いたり、乗員らがコスプレしたりします。実は、「オペレーション・クリスマス・ドロップ」を最も楽しんでいるのは、参加した米軍人や航空自衛隊員たちなのかもしれません。

【了】

【マジかよ!】ド迫力! 輸送機集団をコントロールする“サンタ” の図(写真)

Writer:

なぎはまな。歴史は古代から近現代まで広く深く。2019年現在はフリー編集者として、某雑誌の軍事部門で編集・ライティングの日々。趣味は自衛隊の基地・駐屯地めぐりとアナログゲーム。

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