ボーイングが開発中「世界一長~い旅客機」最新状況を聞いた! 翼幅も長~いゆえのユニーク機構
ボーイングでは、実用化されれば世界最長の全長をもつ旅客機「777X」シリーズの開発を進めています。この機はどのようなもので、現在実用化にむけて、どのようなプロセスを歩んでいるのでしょうか。
ANAも導入予定
ボーイングでは、次世代大型旅客機「777X」シリーズの開発を進めています。国内航空会社ではANA(全日空)が同シリーズの標準タイプ「777-9」、貨物機タイプの「777-8F」の導入を決定していますが、最新の開発状況はどうなっているのでしょうか。
777Xは「ボーイング777」をベースにサイズアップなどを図りながら、燃費効率の良いエンジンや新設計の主翼を採用するほか、コックピットや客室を最新仕様に更新した派生型です。すでに777-9は2020年に初飛行に成功しており、現在は実用化にむけ飛行試験などが進められています。
777-9は全長77mで、実用化されれば「世界最長の胴体をもつ旅客機」になります。426の標準座席数をもつ大型モデルで、翼幅も70m超。そのため、主翼の先端が折りたたみ式となっており、地上では翼をたたむことで、現在の空港設備をそのまま利用できる機構を備えています。
ボーイングは2023年12月、民間航空機部門 マーケティング担当副社長であるダレン・ハルスト氏が国内報道陣からの質問に応え、開発状況の現状について説明しています。
同氏によると777-9クラスの大型機(ボーイング747やエアバスA380など)は2036年までに1000機以上必要となってくるそうで、長距離市場の4分の1にこれらの機体を投入する必要があることから、777-9は同社のなかでも重要な意味を持つモデルとなるとのことです。
現在のところ777-9の納入開始は「2025年中盤ごろ」を予定しており、「以前公表した納入予定から変更はありません」(ダレン・ハルスト氏)とのこと。「現在777-9は3000時間以上の飛行試験を実施済みであり、現在は航空会社と、運航開始後に信頼性の高い運航ができるようなテストを実施しているところです」としています。
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Writer: 松 稔生(航空ライター)
国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。
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