『ゴジラ-1.0』で蘇った「奇跡の駆逐艦」大戦中は運が良かった? 戦後は多くの人を祖国へ

快進撃を続ける映画『ゴジラ-1.0』で獅子奮迅の働きを見せる駆逐艦「雪風」。幸運艦として知られる同艦はいつ生まれ、いつ退役したのでしょうか。実は最期は日本ではなかった、数奇な運命を辿った同艦について振り返ります。

「雪風」の初陣はフィリピン

「雪風」の初陣となったのは1941年12月11日に始まったフィリピン・ルソン島のレガスピー攻略戦です。この時は第二水雷戦隊第16駆逐隊第1小隊に所属する「雪風」と「時津風」が、軽巡洋艦「長良」を旗艦に編成された第4急襲隊に入り、フィリピン攻略で派遣された陸軍の歩兵第33連隊や海軍陸戦隊などの上陸を支援しています。

 年が明けて1942年2月。「雪風」は初めての海戦に挑むことになります。後にスラバヤ沖海戦と呼ばれるこの戦いで、日本軍のジャワ島攻略を阻止しようと動いた連合国軍の艦隊は壊滅。イギリス重巡洋艦「エクセター」や、オランダ軽巡洋艦「デ・ロイテル」「ジャワ」などが沈んでいます。この時、「雪風」も海戦に参加し、魚雷を発射するなどしました。

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1940年に佐世保で撮影された、旧日本海軍の駆逐艦「雪風」(画像:アメリカ海軍)。

 しかし、日本軍の攻勢に陰りが見えてくる日がやってきました。同年6月のミッドウェー海戦です。「雪風」はミッドウェー占領部隊を乗せた船団の護衛に就いていましたが、途中で空母「赤城」「加賀」「蒼龍」が被弾し戦闘不能になったとの連絡が入ります。第一機動部隊に合流するため急行するも、そこには大火災を起こした「赤城」が浮いており、夜戦中止や反転命令を受けたことで「雪風」は現場海域を離れました。

 その後起きた南太平洋海戦では空母「瑞鶴」の直衛として、対空戦闘や「翔鶴」搭載機の搭乗員救助などに従事。第三次ソロモン海戦では軽巡洋艦「アトランタ」や「ジュノー」などにダメージを与えましたが、戦艦「比叡」が戦闘不能に陥ったことで、同艦に座乗していた第11戦隊の阿部弘毅司令官や西田正雄艦長ら乗員を収容しつつ、敵機の空襲をくぐり抜けてトラック泊地まで戻ってきています。

 1943年にはガダルカナル島からの撤収作戦、ダンピール海峡の惨劇として知られるビスマルク海海戦に参加。ダンピールでは日米開戦時からの僚艦「時津風」を失いました。一方で夜戦となったコロンバンガラ島沖海戦では旗艦「神通」が集中砲火を受ける中で、「雪風」は魚雷攻撃を行い、ニュージーランドの軽巡洋艦「リアンダー」を大破させたとされています。

【引き渡し前の大掃除?】ピカピカに磨き上げられた駆逐艦「雪風」の艦内(写真)

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