『ゴジラ-1.0』で蘇った「奇跡の駆逐艦」大戦中は運が良かった? 戦後は多くの人を祖国へ

快進撃を続ける映画『ゴジラ-1.0』で獅子奮迅の働きを見せる駆逐艦「雪風」。幸運艦として知られる同艦はいつ生まれ、いつ退役したのでしょうか。実は最期は日本ではなかった、数奇な運命を辿った同艦について振り返ります。

日本最大の空母「信濃」の護衛にも

 日本の戦況は1944年に入るとますます厳しくなり、特に米潜水艦による輸送船への攻撃とその被害は増していました。「雪風」は同型艦「天津風」や空母「千歳」と共に輸送船団の護衛に投入されたものの、そこで「天津風」が雷撃を受けて船首切断という事態に陥ります。

 こうして「雪風」ただ1隻のみとなった第16駆逐隊は解隊。「浜風」「浦風」「谷風」「磯風」で編成されている第17駆逐隊に編入されました。

 1944年6月のマリアナ沖海戦では、タウイタウイ泊地でスクリューが破損した影響から全速発揮ができないため、第2補給部隊に入りタンカーの護衛を行いました。なお同海戦で日本海軍は空母「大鳳」「翔鶴」「飛鷹」を失う壊滅的な被害を被っています。

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中華民国(台湾)に引き渡されたあとの「雪風」。同国では「丹陽」の艦名で用いられた(画像:中華民国海軍)。

 10月のレイテ沖海戦では、第17駆逐隊の各艦と共に第3戦隊の戦艦「金剛」「榛名」に当たっていましたが、重巡洋艦「愛宕」「高雄」「摩耶」と立て続けに潜水艦の雷撃を受ける様子や米艦載機の攻撃を受けて瀕死の状態となった戦艦「武蔵」など、次々と脱落する友軍艦艇の姿を目の当たりにすることになります。そしてサマール沖海戦では念願となる水雷戦隊による空母部隊への突撃と魚雷発射を行い、駆逐艦「ジョンストン」と交戦してこれを沈めています。

 ただ「雪風」はこの後、さらに僚艦と護衛していた大型艦を失うことになります。11月21日には台湾沖で戦艦「金剛」と駆逐艦「浦風」が撃沈され、11月29日には横須賀から呉へ回航途中の空母「信濃」が沈みました。

【引き渡し前の大掃除?】ピカピカに磨き上げられた駆逐艦「雪風」の艦内(写真)

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