「日本も仲間に」エアバスら欧州の「巨大無人機」開発へ参画する意味 日本の空が一変?
将来の空は「無人機だらけ」に?
日本がMALE RPASの開発に参画した理由は、「最初から民間航空機の飛行空域に統合するための要件を満たすように設計された」という、MALE RPASの特徴の一つにあるのではないかと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。
2023年12月の時点で、日本において運用されているMALEは海上保安庁が運用している「シーガーディアン」3機だけです。2023年11月20付の読売新聞は、海上保安庁が2025年にシーガーディアンをさらに2機購入し5機体制にすると報じています。
シーガーディアンには、衝突防止装置(TCAS)と、放送型自動従属監視装置(ADS-B)、空対空レーダーを組み合わせて、近くを飛行する航空機を探知すると、自動的に高度や針路を変更して衝突を回避するシステムが装備されています。5機程度の機数であれば、現状でも民間航空機とのすみわけは可能であると考えられます。
しかし2022年12月に発表された防衛力整備計画の別表には、10年後を目標に陸上自衛隊に1個多用途無人航空機部隊、海上自衛隊に2個無人機部隊、航空自衛隊に1個無人機部隊を置くと明記されています。このうち陸上自衛隊と海上自衛隊が導入するUASはMALEとなる可能性が高く、また海上保安庁のシーガーディアンにはさらなる増勢の話もあるようなので、2030年代前半の日本の上空を飛行するMALEの数は一気に増加するものと思われます。
MALEの数が増加すれば、当然のことながら民間航空機とどうすみわけをするのかという問題が浮上してきます。
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