「労働環境が悪化する」が最多 高速道路「深夜割引」見直しに意見百出 複雑すぎる新制度案 2024年度にGO?
2023年は高速道路の様々な料金施策について見直しが進みました。なかでもドライバーの反応が大きいのが、「深夜割引」の見直しです。現状の深夜割引にも課題がありますが、かなり複雑な体系となる見直し案もまた、賛否が分かれています。
混雑の要因? 「深夜割引」見直しで複雑化へ
国が高速道路の様々な料金制度の見直しの議論を進めています。なかでも2023年、ドライバーの耳目を集めたのが、「深夜割引」の見直し案でしょう。
現行の深夜割引は0時から4時のあいだに高速道路を少しでも走行すれば、適用時間外の走行も含めた全行程の料金が3割引となります。もともと、空いている深夜に走行してもらうことで、一般道路の沿道環境を改善するために導入された深夜割引でしたが、割引適用待ちの車両による滞留や、ドライバーの労働環境の悪化などが指摘され、課題となっていました。
これを受け2023年1月、次のような見直し案の骨子が示されました。
・割引時間帯を22時~翌5時に拡大。
・割引時間帯の走行分のみを3割引(22時台に流出した場合、22時台の走行分は2割引)
・400km以上の長距離逓減を拡充:400km以上600km未満40%(現行の+10%)、600以上800km未満45%(同+15%)、800km以上50%(同+20%)
割引が“深夜に走ったぶんだけ”になるため、少しでも距離を稼ごうと速く走るドライバーが増えるのではないか、という指摘が、この当初からありました。
それを受けて11月、NEXCOなどから示されたのが、次の「無謀な運転の抑止策(案)」です。
●1時間あたりの割引対象距離に「上限」
利用時間1時間あたり普通車等で100km、大型・特大車で80kmが上限(メーター誤差を加味して実際には105km、85km上限)。
●割引時間帯に4時間以上走ったら、自動的に「30分間分」割引適用外
利用時間が4時間を超える場合、「4時間以上運転した場合は30分の休憩をとる」というドライバーの労働時間基準を考慮して、利用時間30分に相当する上限距離を減じる。
●割引は「後日還元型」に
実際の走行が割引額に影響するため、料金所の通過時にその場で割引料金を提示せず後日処理とする。ETCクレジットカード利用者はETCマイレージポイントで還元、ETCコーポレートカード利用者は法人向けの「大口・多頻度割引」と合わせて割引処理。
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この案が発表されると、SNSでは「複雑すぎる」などと悲鳴にも似た声が相次いで見られました。
また発表と同時に国民からの意見募集も開始されており、そこで集まった意見が12月22日にNEXCO各社から公表されています。
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