もはや別の機体? 兵装もスゴイ「F-15」シンガポール版 ただ訓練場所が遠すぎる!?
結局アメリカ機がメリット大! 今後は?
このように、シンガポール空軍は兵器だけでなく、パイロットの育成といった運用面でもアメリカ軍に大きく依存しています。
こういったことを鑑みると、対地攻撃能力を含む多用途性に優れ、長距離飛行が可能で、アメリカ製というのは選定の際に大きなアドバンテージだったと言えるでしょう。結果、「タイフーン」や「ラファール」よりも戦闘機としては古いものの、シンガポールはF-15Eに決めたのです。
加えて、アメリカ製の戦闘機なら、同国軍のリソースを利用するだけでなく、相互の協力関係を醸成するのに大きなメリットとなります。同じ装備を使っているということで、兵士や組織として濃密な交流を行うことができ、大きなメリットを生み出します。
シンガポールにとって安全保障の観点でアメリカとの繋がりを維持できるというのは、その機体の性能以上に重要なポイントなのかもしれません。
ちなみに、シンガポール空軍は老朽化するF-16の後継機としてアメリカ製の第5世代戦闘機F-35B「ライトニングII」の導入を決定しています。おそらく同機も、前出の3機と同様にアメリカ本土の基地に訓練分遣隊を常駐させて、そこで訓練を行うようになるでしょう。
【了】
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
コメント