もはや別の機体? 兵装もスゴイ「F-15」シンガポール版 ただ訓練場所が遠すぎる!?
「シンガポール航空ショー2024」には同国空軍の主要装備も並びます。代表的なのはF-15SGですが、この機体の訓練はシンガポール国内では行わないとのこと。どこでやっているのか、パイロットに直接ハナシを聞きました。
シンガポールのF-15SGは日本のF-15Jと似て非なるもの
2024年2月20日からシンガポールで開催されている「シンガポール航空ショー2024」。会場には軍民さまざまな航空機が展示されていますが、メインの存在となっていたのがシンガポール空軍の軍用機でしょう。なかでも同空軍の主戦力であり、かつイメージリーダー的な存在といえるのがアメリカ製のF-15SG戦闘機です。
F-15というと、日本の航空自衛隊もF-15Jを保有しています。2024年現在は、より高性能なF-35「ライトニングII」の配備が進められていますが、それでも数のうえで主力はF-15Jであり、領空防衛の中心的存在として全国各地に配備されています。
ただ、外見こそ日本のF-15JとシンガポールのF-15SGは似ているものの、性能は全く異なります。
前者は空対空任務を行う制空戦闘機であり、対地攻撃はできなくはないものの、あまり得意ではありません。それに対し、後者のF-15SGは対空戦闘と対地攻撃の両方に長けた汎用モデル、いわゆるマルチロールタイプです。
そのため、基になったモデルも両者で異なっており、航空自衛隊のF-15Jはアメリカ空軍のF-15C「イーグル」が、シンガポール空軍のF-15SGはアメリカ空軍のF-15E「ストライクイーグル」が、それぞれベースになっています。
実際、運用できる兵装のバリエーションもF-15SGの方が多く、今回の「シンガポール航空ショー2024」で展示されていたF-15SGには、展示用のダミーですが様々な種類の兵器がパイロンに取り付けられていました。
空対空ミサイルのAIM-9「サイドワインダー」やAIM-120「アムラーム」はもちろんのこと、レーザー誘導爆弾やGPS誘導のJDAMも複数搭載。地上展示用のデコレーション的な要素が強いとはいえ、左右非対称で“マシマシ”な感じに搭載された兵器装類は、同機のマルチロール性と、高い攻撃能力をアピールするにはピッタリだった模様です。
シンガポール空軍がF-15SGの導入を決めたのは2005年のこと。それまで運用していたA-4SU「スーパー・スカイホーク」(シンガポールの独自改良型)の後継機として選ばれ、5年後の2010年から配備が始まっています。
ただ、選定時は、ヨーロッパ共同開発のユーロファイター「タイフーン」やフランスのダッソー「ラファール」も候補に名を連ねていました。
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