どんどん速くなっていった「私鉄キラー」今や夜行特急! 往年の新快速117系 どうスゴかったのか

国鉄型117系は、登場当時としては画期的な近郊形電車でした。国鉄は全国的に同じ形式の車両投入を進めていましたが、117系は「関西圏の私鉄特急対抗」という単一目的で製造されたのです。一部は現役の117系はどんな電車なのでしょうか。

「WEST EXPRESS銀河」で返り咲き

 JR西日本は1988(昭和63)年より3扉で転換式クロスシートの221系電車を、JR東海は1989(平成元)年より同じく311系をそれぞれ投入。117系は1990(平成2)年、最高速度を115km/hに引き上げましたが、同年には新快速運用からの撤退も始まります。

 西日本では221系の増備により、117系が福知山線、奈良線、岡山・広島地区などに転出していきます。特に福知山線向けは一部ロングシート化と吊り手設置も行われました。

 西日本管内の117系は、新快速の130km/h運転が開始された1999(平成11)年までに、新快速運用から外れました。東海管内でも313系に新快速運用の大半を追われますが、限定運用として2013(平成25)年の定期運行終了まで、快速・新快速で活躍します。さらに観光列車「そよ風トレイン117」として、走行中に側扉を開けられるよう展望柵を取り付けたり、窓向きにベンチを設置したりしましたが、2014(平成26)年までに廃車されました。

 一方、JR西日本の117系は2023年に全廃されましたが、翌2020年に驚くべき車両に改造されて運用開始します。長距離列車「WEST EXPRESS銀河」です。

「WEST EXPRESS銀河」は往年の寝台特急のような瑠璃紺色をまとい、夜行列車としても使える設備を備えました。座席を寝台に転換できるグリーン車「ファーストシート」、寝台が設けられ寝られる普通車指定席「クシェット」「ファミリーキャビン」、グリーン車並みの座席間隔を持つ普通車指定席、そして本格的な鍵付き扉を備えたグリーン個室「ファミリーキャビン」です。

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長距離列車「WEST EXPRESS銀河」となった117系(安藤昌季撮影)。

 季節ごとに違うルートを走る「WEST EXPRESS銀河」は高い人気を博し、車両を見れば登場から半世紀近くが経過する中、新しい旅の形を提供しています。

 なお広島地区でも117系は改造されています。電動車ユニットが「115系3500番台」となり、2扉で転換式クロスシートの115系3000番台の中間車として、7編成が山陽本線の岩国~下関間で運行されています。ただし、新型227系電車の投入により、いつまで走るか分からないのが現状です。

【了】

※一部修正しました(5月6日13時)。

最初で最後? 品川駅に停車する117系 with 山手線103系(写真)

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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