駅で買えない&大会でもほぼ見かけない 広島「幻の駅弁」とは? 歴史は120年!

製造元「うえの」の説明だと?

 宮島周辺は瀬戸内海でも潮流が速いため、風味、柔らかさに優れ脂も乗っていることから「瀬戸のアナゴ」として珍重されていました。今や学校給食として提供されるほどの名物料理となっています。観光バスが宮島口に大挙して訪れた1950年代では、駅弁としてだけでなく「バス弁」としても人気になったといわれています。

 さて、そうした宮島口駅の伝統駅弁ともいえる「あなごめし」ですが、製造元である「あなごめしうえの」の説明は農林水産省とやや異なり、山陽鉄道宮嶋駅(現・宮島口駅)が開業した1897(明治30)年に、上野他人吉が駅売弁当として販売したのが始まりとしています。

 当時、地元料理として「あなごどんぶり」があり、他人吉が「白飯をあなごのアラで炊きこんだ醤油味飯」に置き換えたところ、コクがあると大評判になったのです。

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宮島口駅の駅弁「あなごめし」。掛け紙も面白い(安藤昌季撮影)。

 それ以来、宮島口駅弁として販売された「あなごめし」は宮島だけではなく、広島市内でも広がりを見せました。駅弁としては宮島口駅のほかに広島、三原、岡山、高松、今治、姫路の各駅でも販売実績があります。その元祖ともいうべき「うえの」の「あなごめし」は、ラインナップを増やさずに「あなごめし」だけを販売しており、その製法も他人吉以来の伝統を守っているという名物駅弁なのです。

(写真)これが幻の駅弁「あなごめし」時間経つとなお美味い!

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