奇跡の現役? 台湾のナローゲージに日本人鉄道ファンも熱視線 ヘロヘロ線路の知られざる路線網

かつて台湾ではナローゲージの製糖鉄道がサトウキビ畑と製糖工場を結び、地域の人々の足にもなっていました。1980年代から次々と廃止されましたが、唯一現役の製糖鉄道が冬期間に活躍し、さらには観光鉄道として再復活した例もあります。

この記事の目次

・「五分車」の由来とは

・メディア露出も増え鉄道ファンも殺到

・工場付近に「新營鐵道文化園区」を整備 観光化へ

・台湾初の製糖鉄道「高雄橋仔頭糖廠」は今…

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「五分車」の由来とは

 2024年4月3日の台湾地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。被害を受けられた皆様の安全と、1日でも早く平穏な生活に戻られますことを心よりお祈り申し上げます。

 さて台湾は“砂糖の島”と呼ばれるほど、精糖産業が栄えていました。古来より村々で砂糖が作られていましたが、日本統治後の1901(明治34)年に初の機械式製糖工場「台湾製糖株式会社・高雄橋仔頭糖廠」が誕生して、本格的な製糖産業が開始されました。橋仔頭は現在の橋頭(チャオトウ)です。

 原料となるサトウキビの輸送には、762mm軌間のナローゲージによる鉄道輸送が最適で、まず1906(明治39)年に橋仔頭糖廠へ輸送する軌道が敷設。この時の牽引力は水牛で、翌年には工場の拡大と併せて蒸気機関車による運行が開始され、台湾の製糖鉄道が幕開けとなりました。

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虎尾(フ―ウェー)製糖鉄道の軌道はかなりヘロヘロで、一見すると廃線跡にすら見える。牽引機関車は「徳馬」と呼ばれているドイツのDIEMA(Diepholzer Maschinenfabrik)製。1977年から各地の製糖鉄道向けに導入された(2024年3月、吉永陽一撮影)。

『台灣軽便鐵道小火車(蘇昭旭箸)人人社』によると、製糖鉄道には「台湾製糖鉄道」「明治製糖鉄道」「大日本製糖鉄道」「塩水港製糖鉄道」「帝国製糖鉄道」「新興製糖鉄道」といった精糖会社の路線があり、それぞれの鉄道が次々と線路を延ばしていきました。

 1945(昭和20)年、終戦により日本の統治が終わると、各製糖会社は国民党政府によって合併されて、台湾製糖公司として再出発しました。同年の統計によると、製糖鉄道の総延長は2964.6km(貨物線専用線が2337.5km、旅客路線が627.1km)。旅客路線は沿線の村や町に住む人々の足となっており、最盛期には41の路線がありました。

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操車場でサトウキビを満載した貨車を何十両も牽引し、小さな機関車が走り去っていく。虎尾製糖鉄道(2019年1月、吉永陽一撮影)。

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Writer:

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

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