航空機開発の“お約束”ブチ破った! 軽い・安い・使い易い傑作機A-4「スカイホーク」ができるまで

設計者の神業で作ってみたら想像以上に安くなった!

 そして、ハイネマンは価格を予算内に収めるため、機体を可能な限り小型化して海軍の要求を満たすことにします。完成した機体は搭載量、最大速度など要求値を満たし、機体価格は一機当たり86万ドル (最初の500機分)と目標を大きく下回りました。

 新型機の開発には機体重量と価格が上振れすることが常識になっていますが、エド・ハイネマンの設計手腕の高さが再び証明されたというわけです。

 ベトナム戦争に投入されたA-4は空母や地上の基地から爆弾を抱えて前線に向かいました。

 しかし、北ベトナムにソ連製地対空ミサイルSA-2の配備が始まると、小型で運動性に優れたA-4にも被害が出始めます。SA-2はレーダー誘導ミサイルであったことから、レーダー波を錯乱してミサイルの軌道を逸らせる「ECM」機材をA-4に搭載することになりました。ところが、小さなA-4は機内にスペースありません。そこで背中にラクダのコブのようなカバーを載せて機器を収容しました。

 A-4は攻撃機でありながら優れた飛行性能をもっていました。北ベトナム空軍のミグ17戦闘機をロケット弾で撃墜。イスラエル空軍のA-4もレバノン上空でミグ17を撃墜する戦果を上げています。

【写真】スゴ技すぎる… 別機との距離”1m以下”で編隊飛行する「ブルーエンジェルズ」

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