「戦闘機よりいいもの提供するから戦闘機はお預け」スウェーデンの真意は? ウクライナめぐる“空の争奪戦”勃発か
数が集まる「F-16」 それで十分なのか?
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は2023年8月19日にスウェーデンを訪問し、同国のウルフ・クリステション首相と首脳会談を実施。会談終了後にウクライナ軍人がグリペンの運用評価を開始していたことを明らかにしました。ゼレンスキー大統領はこの会談でクリステルソン首相にグリペンの供与も求めていたようです。
クリステション首相は「将来のことは何も排除しない」と述べ、ウクライナへのグリペンの供与に含みを持たせていますが、スウェーデン政府はウクライナ軍人が運用評価を行っていることは認めたものの、グリペンの供与については否定していました。しかしこの話はその後もくすぶり続けており、一部の海外メディアはまもなくウクライナにグリペンが供与されるのではないかとの見方を示していました。
しかし今回、スウェーデン政府が供与計画の一旦停止を明言したことで、ウクライナへ早期にグリペンが供与される可能性は消滅したと言えます。
5月30日付のニューズウィークは、スウェーデンがグリペンの供与計画を一旦停止したのは、F-16戦闘機の供与を円滑に進めるためであるという、スウェーデン政府関係者の話を紹介しています。
NATO加盟国であるオランダとデンマーク、ノルウェーは2023年に、F-35戦闘機の導入によって余剰となったF-16のウクライナへの供与を決定。2024年の夏にはウクライナ空軍で運用が開始されると見られています。
同じNATO加盟国であるベルギーも、やはりF-35の導入により余剰となったF-16をウクライナへ供与を決定しており、4か国によるF-16の供与機数は合計85機となります。
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