沖縄の「ポツンとSL」のナゾ “友達にも見せたい” 国鉄職員らが一肌脱いだ「記録」だった!

沖縄・那覇の中心にある公園の一角に木々に隠れるようにして1両の蒸気機関車が展示されています。戦後、鉄道が走ることのなかった沖縄になぜ大きなSLが残っているのでしょうか。

門司でSL見せたことが契機に

 沖縄本島には戦前、軽便鉄道(沖縄県営鉄道)や馬車鉄道、路面電車などがありました。しかし利用者減や戦災により廃止または破壊され、1945年以降は長らく鉄道のない状況が続きます。

 

 戦後しばらくの間、沖縄はアメリカ軍の占領下に置かれていましたが、終戦から四半世紀が過ぎようとする頃、日米両政府のあいだで沖縄の返還協定が締結されたことで、1972(昭和47)年5月15日に沖縄県が発足、日本の一部へと戻りました。

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那覇市の与儀公園に保存・展示されているD51形蒸気機関車222号機(乗りものニュース編集部撮影)。

 一方、1972年は日本における鉄道開業100周年の節目の年でもありました。1872(明治5)年9月12日、東京・新橋~横浜間の鉄道が開通しており、各地で様々なイベントが開かれるとともに記念メダルや記念切符が発売されるなどしていたのです。

 

 そのようななか、北九州市の国鉄職員が「沖縄の本土復帰・鉄道開通100周年」に合わせて沖縄の子どもを同地へ招く運動を展開します。結果、那覇市内の小学生72人が北九州市へ招待され、国鉄職員が里親になる形で、遊園地やサーカスに行ったり、プロ野球を観戦したり、はたまた門司機関庫で鉄道を見学したりと充実した数日間を過ごしました。

 

 いくつもの貴重な体験を行った児童たちですが、なかでも最も印象に残ったのが、蒸気機関車の巨大さ、たくましさだったとか。子どもたちから「沖縄の友達にも見せたい」「SLが欲しい」などの声が上がったそうで、それを聞いた北九州の国鉄職員らは、なんとかして鉄道のない沖縄に実物の蒸気機関車を送ろうということになったそうです。

【設置当初はフェンスなし!】1976年の与儀公園「デゴイチ」を見る(写真)

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