各国の“魔改造”戦艦たち 最も原形を留めていないのは!? 装甲マシマシ「新型に勝る」は本当か?
アメリカ、日本の魔改造戦艦とは
■アメリカ
太平洋戦争中に行われた、コロラド級戦艦「ウェストヴァージニア」への改装が挙げられます。艦橋や上部構造物を新型戦艦「ノースカロライナ」級などに類似したものに換装し、射撃指揮装置も新型戦艦と同等品に交換。搭載レーダーも新型のMk.8を採用しました。
副砲は新型戦艦と同じ12.7cm連装両用砲を8基16門搭載して、既存副砲・高角砲を撤去。水平防御は弾火薬庫を76mm増し165mmに、機関部は140mm、砲塔天蓋は178~190mmとし、新型戦艦「サウスダコタ」級とほぼ同等の防御力となりました。
水中防御は幅2.7mのバルジを装着した結果、「新型戦艦にも勝る」と評価されました。速力は新型戦艦や日本の改装戦艦に劣るものの、殴り合いでは船体の小ささも含めて最強クラスと考えられます。
■日本
全ての保有戦艦が大改装を受け、戦力が大幅に増強されました。特徴的なのは、推進効率を上げるための艦尾延長です。機関の強化もおおむね行われており、既存戦艦で25ノット(46.3km/h)程度、金剛型で30ノット(55.6km/h)の高速性能を備えました。主砲仰角も43度に上げられた結果、米英の新型戦艦に匹敵する射程となりました。
特に長門型は、弾火薬庫の垂直装甲傾斜部に新規装甲を張り足すことで、新造時の305mm+76mmを、305mm+274(一部125)mm+76mmに強化し、大和型の46cm砲でも貫通困難な重防御としました。水平防御も、弾火薬庫部分は1枚板換算で190mm程度の多重装甲に。砲塔天蓋も230~250mmに強化され、弾火薬庫防御については最強といえます。
ただ、機関部についてはほとんど強化されておらず、自艦主砲の41cm砲を下回る35.6cm砲の命中でも危ういなど、アンバランスな改装でした。一方の攻撃力は、九一式徹甲弾を搭載可能とし、新造時より貫通力を大幅に増しています。
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