各国の“魔改造”戦艦たち 最も原形を留めていないのは!? 装甲マシマシ「新型に勝る」は本当か?

世界に類を見ない航空戦艦

 伊勢型は、後部の35.6cm主砲塔を2基撤去し、航空機22機を搭載する「航空戦艦」に改装されましたが、これは旧日本海軍における最大の魔改造かもしれません。

 なお、実行されなかった計画としては、扶桑型の大改装案が挙げられます。主砲を35.6cm砲12門から41cm砲10門に換装し、垂直装甲を15度傾斜に変更するというもの。水平装甲も57mm+44mmを張り足す予定でした。

 ちなみに金剛型には垂直装甲を換装して324mmとする案が、伊勢型には35.6cm主砲塔を41cmに換装する構想がありました。

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旧日本海軍の航空戦艦「伊勢」。後部に飛行甲板が見て取れる。写真は1945年7月、呉軍港空襲の際にアメリカ軍の艦載機から撮影されたもの(画像:アメリカ海軍)。

■イタリア
「コンテ・ディ・カブール」級と「カイオ・ドゥイリオ」級で大改装が行われました。30.5cm主砲13門を搭載していましたが、中央砲塔を撤去して10門とします。主砲口径も砲身をボーリングし直して30.5cmから32cmに、砲弾重量は452kgから525kgへと拡大して威力を増しています。「ドゥイリオ」級のみ、主砲仰角を27度から30度に引き上げ、射程を2万8600mから2万9400mに延伸しました。

 撤去した主砲塔のスペースも活用して機関を換装し、21ノット(約39km/h)だった速力を27~28ノット(約50~52km/h)に増大させています。この際に艦首も延長し推進抵抗を減らしていますが、既存の艦首に被せる構造のため、水漏れなどの問題があったようです。

【写真】日本最大の魔改造か ビフォー・アフターを見る

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