歴史を変える大発明だった!?「ヘリコプターの元祖」だったかもな変態機 まさかの後世に大きな影響も

第一世界次大戦中、参戦各国は砲撃での着弾点観測に困っていました。そこで現在のヘリに通ずるプロペラ推進でホバリングができる機体が考えられることになります。

とにかく高い位置から着弾点を観測したい!

 世界で初めて実用に耐えうる形で飛行した回転翼機(ヘリコプター)とされているのは、第二次世界大戦の開戦直前、1936年6月26日にドイツで初飛行したフォッケウルフ Fw 61です。

 しかし、実はそれよりも20年ほど前、第一次世界大戦の終了直前に空を飛んだ回転翼機がありました。ただ、その見た目や構造は現代のヘリコプターとはかけ離れたもの。いったいどんな機体だったのでしょうか。

 そもそも、20世紀初頭の1914年に勃発した第一次世界大戦は、1918年の休戦までに戦争の形を大きく変えた、とよく言われます。潜水艦や飛行機の大量使用、戦車の発明、毒ガスの実戦投入などさまざまな理由が挙げられますが、大砲の威力向上もそのひとつと言われています。

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実験中のPKZ-2。中央のドラム缶のようなものは人間が乗るためのカゴ(画像:パブリックドメイン)。

 それまでの戦争といえば、両陣営がだだっ広い場所に陣を敷き、お互い見える範囲で兵力をぶつけ合う、というのが定石でした。しかし、この時代、砲の射程は驚くほど延伸しており、敵陣営が見えない場所に大砲を設置し、そこから射撃して、遠く離れた目標を攻撃することが可能になっていたのです。

 加えて、従来の砲は、架台に砲身や薬室がじかに設置されていたため、発射すると反動で大砲全体が動いていました。これだと、1発撃つごとに大砲を元の場所に戻し、目標への指向をイチからやり直す必要がありました。

 ゆえに命中精度は低く、射撃速度も遅かったのですが、1900年頃になると各国で「駐退機」と呼ばれる装置を搭載した新型砲が登場するようになります。これは、発射時の反動を軽減する装置で、砲架(架台)と砲身のあいだに組み込むことで、この部分が発射時の反動をある程度吸収するため、砲架は動くことがなくなりました。その結果、大砲の命中精度と発射速度は大幅に向上することになったのです。

 こうして、第一次世界大戦では、遠く離れた場所から大量の砲弾が高い命中精度で飛んでくるようになったといえるでしょう。

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